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ハナさえ切れればよかろうなのだッ

というわけで、第3回レッスル駅伝に「大流星」で出場中です。
ま、3区で息が入りますけどね。


web拍手お返事 とにかくありがとうございます。

>いやー、実に「ならでは」の一戦ですね。久々の美月スタイルズが、やっぱり楽しいです。(カレーマン)

もはや全く原型をとどめていないMSスタイルズ、喜んでくださる人は貴重です。
書いてる分にはもちろん楽しいんですけども。

最近そちらにリアクションできてなくて申し訳ないです。
エンジェルマニア頑張ってください。


>ふくれっつらの真帆……可愛いですね。

ねー。
もうちょっと人気出てもいいと思うんだけどなぁ…
まあどこにいても存在感はあるからいいですけど。


>このベルトは金具がクルクル回りますか?

あー、アレとは違うので残念ながら回りません。

久々に実家でRAWドラフト見ましたけど、
シナとHHHは明らかに持ってるベルトが逆ですね。



下に美月ネタを2つ上げました。なんとなく。
どっちがいいかなあ、と。

時間切れなので元ネタだけを…
美月(下)=AJスタイルズ
真帆=ヘルナンデス
内田=日高郁人

真帆以外は今まで通り。


すっかりレッスル界に取り残された感がありますけど、
GWには追いつきます。多分。

(こうして見ると、大したことは無さそうな……?)
 内田は、目の前の対戦相手をそんなふうに値踏みしていた。
 杉浦美月。
 初めて参戦したこの団体で、今ちょっと注目されている若手である。
 冷静を絵に描いたような表情で赤コーナーを背にしているあたり、
 並の若手とは違うように思えなくもないが、体格は内田より二回りは小さい。
(どんなもんか、少し遊んでみますか)
 そんな心の余裕を顔には全く表さず、美月と同じような表情をした内田は、
 もたれかかっていた青コーナーを離れてリングの中央へ足を進めた。


「よろしく」
 ゴングが鳴ったと同時に、内田はそう言って右手を差し出す。
「………」
 対する美月は躊躇無くこれを握り返した。
 瞬間、内田は正面から飛び掛かり、
 左足で美月の右肩を跨ぎながら右足で首元を押さえると、
 小柄な相手をそのまま引き倒すべく自分からマットに転がった。
 が、この奇襲にも美月は動じず、
 内田の両肩がマットについたところを見計らって上から押し潰しにかかり、
 あとコンマ数秒で記録的な秒殺勝利になるところであった。
「おっと!?」
 内田はくの字に折り畳まれた体を一気に伸ばしてフォールを跳ね返すも、
 勢い余ってうつ伏せになった体勢を美月が見逃さず、
 一旦グラウンドのヘッドロックに捕らえてから体を滑らせ、
 正面に回ってフロントネックロックへ。
「ち」
 下になった内田が自分の首に回された美月の手首を取って抜け出すも、
 美月もさらに切り返しを見せ、とにかく内田を立たせようとしない。
(可愛くないヤツ…!)
 恐らくは対戦する相手の体格や戦法、
 性格まで事前に調べた上で試合に臨んでいるらしい対戦相手に対し、内田は率直にそう感じた。 
 確かにキャリアが上の選手から見れば、こういった、
 言ってみれば小賢しいタイプの若手は可愛げ無く移るだろう。

 暫し関節の取り合いを続けていた両者が距離を取ると、
 客席からは一斉に拍手が沸き起こった。
「ふん」
 全くの互角に見えた両者だったが、ここに来て内田は余裕の笑みを浮かべる。
 そして再度互いが接近し「組むか」と見えた瞬間、美月の頬に強烈な張り手を一閃。
「うっ…!?」
「ほらほら、やり返してみなさい!」
 言いながら背中を反らせて手招きし、体格差を強調しながら撃ち合いを誘った。
 仮に技術が互角だったとしても、他の要素で自分に優る点は無い――と、
 隠していた余裕をあえて顔に出して挑発し、美月の反応を待つ。
 美月の若手らしくない戦い方と落ち着き払った表情を見て、
(ちょっとイジメてやるか)
 という思いも内田にはあったのだろう。
 頬を張られたあと、いかにも意外だったという風に横を向いたまま黙っている美月を見て、
 内田の嗜虐心はやや満足した。
 しかしその実、美月の方は内田が思っているより一段と可愛げが無い。
「いっ!?」
 相手の注意が自分の顔に向いているスキを突き、美月が思い切り内田の足を踏んだのだ。
 次いで思わず内田の頭が下がったところへ、バチッ、と音を立てて張り手のお返し。
 そして意外なことに、右足を振るって右の脇腹付近を狙ったトーキックを繰り出してきた。
(コイツ…っ!)
 内田は難なく身をかわしてこれを避け、逆に蹴り足に右腕を巻き付けて小脇に抱えるように固定。
 さあどうしてくれようか、と考え始めた内田の目の前で、足を取られたままの美月が回転した。
 残った左足を浮かせて内田に背を向けると同時に、踵を左脇に差し入れるようにして後ろ向きに飛びつき、
 そのまま体重をかけ前方に内田を倒しながら、しっかりと両脚を掴む。
 前転の途中で両肩をついて止まった内田の頭に乗るようにして、絶妙な丸め込み技が決まった。
「う…ッ!?」
 これはきわどかった。
 跳ね返した内田も、返された美月も指を三つ立ててレフェリーに確認してしまったが、
 結果的にはこの間が明暗を分けたかも知れない。
 我に返った美月が向かって行った時には、内田にも迎え撃つ準備が出来ている。
 カウンターのハイキックで美月の側頭部を薙ぎ払うと、
 ぐらぐら揺れている小さな頭に背中を向け、顎を屈んだ自分の右肩へと乗せた。
(コレまで切り返されたら、諦めるけどね…!)
 首を持ったままでバック宙を決めて尻餅をつき、後頭部を変形のリバースDDTで叩きつける。
 データに無かったのか、それとも体が動かなかったのか、
 ついに美月は何もできないままでマットに沈められた。


「ホラ」
「………」
 試合後に再び差し出された右手を、美月は暫く眺めていた。
 迷った挙げ句に握り返してみると、いきなりぐっと力を込めて内田の方に引き寄せられ、
 体が緊張して硬くなったが、内田は、がさがさと美月の頭を手荒く撫で回すだけで解放する。
(健気なヤツ)
 手を合わせてみて、内田は美月の苦労を感じ取っていた。
 対戦相手のデータを入念に研究するというのは、
 体格で圧倒的に劣る中で周囲について行くための、美月なりの工夫なのだろう。
(これからも厳しいだろうけど、ま、注目しといてやるか)
 内田はリングを降りながら、何やらわからずに首を傾げている後輩に向け、
 一つ目配せをしてやった。


by right-o | 2009-04-26 18:53 | 書き物
 とあるベルトにまつわるお話。
 黄金に赤で「X」と大きく書きなぐったそのベルトは今、杉浦美月の腰にあった。
 フードがついた袖の無いジャケットを目深に被り、入場ゲートからリングに向かって歩いている。
「フー……!」
 その様子を犬歯を見せて笑いながら、息遣い荒くリング上から見つめているのはフォクシー真帆。
 これまで他団体を主戦場にしながら、ファンの間でこのベルトへの挑戦が長く望まれていたレスラーである。
(そこそこ動けそうだけど、力も強いか…?)
 そんなことを考えながら、美月はリングの手前で立ち止まった。
 データに頼らなくなって久しい美月には、無論初めて戦う相手のスタイルなどわからない。
 しかし、
(何にしても、負ける気はしない!)
 上着と眼鏡を投げ捨て、ベルトを外してリングへ飛び上がる。
 抜群の身体能力とプロレス頭に支えられ、今の美月には揺ぎ無い自信が備わっていた。


「ハッ」
 ゴングを待たずに身を屈めて突進してきた真帆を大きく飛び越え、
 ロープを背負ったところへトーキックを入れて反対側へ振ると、跳ね返ってきた相手の顔面を撃ち抜く打点の高いドロップキック。
 少々身の軽いレスラーなら誰でもできる単純な動きながら、
 美月の場合、微妙な緩急がついてなんとも言えず華麗に見える。
「むぅッ!」
 すぐさま起き上がってまた突っ込んできた真帆へ見事な払い腰を決め、
 左腕を頭に回してグラウンドのヘッドロックへ移行。
 まるで闘牛士のように暴れ狐をあしらいながら、まずは美月が試合をコントロールする。

(何もできないようなら、このまま押し切ってやる!)
 強気に攻めている美月は、リングの真ん中でダウンさせた真帆を尻目にロープを飛び越えてエプロンに立った。
 次いでリング外からロープに飛び乗り、大きくジャンプ。
 相手の起き上がりと同時に勢いをつけて前腕を叩き込むのが美月のオリジナルムーブの一つだったが、
 流石に真帆もやられっ放しではない。
「捕まえたぞっ!」
 折り畳んだ美月の腕が届くより早く、真帆の両手が空中の美月の首を捕らえた。
「うわ…ッ!?」
 数歩後ろへ下がりつつ背中を反り、美月を背後に放り投げた。
 ネックハンギングツリーからフロントスープレックスの要領で空中に送り返された美月の体は、
 ロープの上をを大きく超えて場外に落下。
 どうにか受身は取れたものの、腰と背中を固い床に打ちつけられてしまった。
「っ痛……」
 そして美月がなんとか体を起こし、リングに戻ろうと顔を上げた瞬間、
「うりゃああああああっ!!」
 トップロープとセカンドロープの間をすり抜け、リング内からロケットのように飛んで来た真帆と正面から激突。
 真帆の体格と勢いに弾き飛ばされた美月は、客席の中まで吹き飛ばされていった。

「まだ終わりじゃないぞ!」
 ふらふらの美月を引き摺ってリングに帰って来た真帆が、客席に向かって首を振った。
 仕留めてきた獲物をリングの中心に引き出し、最後の仕上げにかかろうとする。
「ヤッ」
 真帆は、タイガードライバーの体勢から一息に美月を持ち上げ切り、
 そのまま小さな獲物を右肩の上に担ぎ上げた。
 前に投げるか、真下に叩きつけるか。
 どちらにしても持ち方を変えるため、真帆はほんの一瞬だけ手を放さなければならない。
(甘い!)
 と、そこを美月は見逃さなかった。
 すかさず体をくねらせて真帆の背中を滑り降り、背中合わせに着地。
「ん!?このっ…」
 真帆が振り向いた時には、もうその視界に逆様になった美月の靴で一杯になっている。
 これ以上無いタイミングで美月のオーバーヘッドキックが決まり、真帆は思わず膝をついた。
 が、まだまだ余力十分にある。
「終わりッ!」
 そう叫んで美月が真帆の頭を両足の間に挟んだ時、
(舐めるな!)
 と思うのが当然だった。
 パイルドライバーをリバーススープレックスで返そうとする真帆の力を利用し、美月は前方に一回転。
 頭を股に挟んだまま前に尻餅をつくことで、見事にパイルドライバーの形で真帆をマットにめり込ませた。


(これだから、やめられない…!)
 ふくれっ面をして首を押さえている真帆を尻目に、美月はコーナーに上がって歓声に浸っていた。
 とは言え、この歓声が自分だけに向けられているわけではないことも、美月はわかっている。
 美月は、ちらと後ろへ目配せをしてみせた。

by right-o | 2009-04-23 22:22 | 書き物
っていう一言がやたら重く感じられる今日この頃。
ま、なんとかやっております。


web拍手お返事 遅くなって申し訳ありません。沢山ありがとうございます。

>真面目なつかさって、すごい違和感ありますね。元に戻ったあたりでほっとしてしまいました。この二人はどうしてもボケとツッコミを期待してしまいます。

ですね。正直書いていても違和感がありました。
そういうわけでセリフは少なめです。

ただ後から考えてみれば、真面目なら真面目で最後まで通すべきだったかも知れません。
いきなりコロッと変わり過ぎな感が。


>いやー・・・熱かったですね、テイカーvsHBK。ショーンの入場でまず吹いてしまいました。フルコース堪能いたしました。(カレーマン)

入場…ああ、モルデカイを思い出したんですね(違

名人と名人、正に期待通りのクオリティだったと思います。
いつかレッスルで再現してみたいところ。


>真鍋「タイトルマッチはノーDQ」のエキプロ的発想ですね。わかります。

そういえば何故かそういうルール設定になってますよね。
お陰でCPUがゴングと同時に凶器(主にベルト)を取りに行ったりするわけですが。
ホント、エキプロ作った人は何考えてるんだろう。

>ピンク髪同士負けたくない物があるのですね

あー、言われてみれば。
実はなんとなく「だらだら」の設定を一部勝手に引用しただけだったりしますけどね。



と、今週末には何かアップできると思うので、
更新頻度が下がっても変わりなく見て頂ければ幸いです。

やりたいことは多いんですけどねー…
色々な続きとか、激闘龍の第2部とか、新シリーズとか。


そうそう、GWはまたまたレッスルオフ会に参加させてもらおうと思っています。
今回から念願の新幹線で伺おうかと。

車で行ければ一番安いんですが、う~ん。

すいません、まだまだ落ち着いてないもので…
拍手コメも返せず、申し訳ありません。


ところで皐月賞、ロジユニはどうしたんですかねえ。鞍上は「わからない」って言ってましたけど。
やはり関東馬ではダメなのか。

何にしても今週は買えなかったのが幸いしました。
by right-o | 2009-04-19 22:49
PCルームに人が来ないのでついでにもう一つ更新。

久々に予想を。


桜花賞
◎ブエナビスタ
○レッドディザイア
▲サクラミモザ
△ダノンベルベール
△ツーデイズノーチス

ええガチガチですとも。


来週はまた美月辺りに予想させたいところですが、多分無理です。
研修が終わって配属先に行って、引っ越しの片づけやら何やら。
そもそもネット環境が整わないだろうし。
ま、その分早速初任給をいただけるのですが。


最後にアメプロの話題。

レッスルマニア、楽しみにしていたテイカー対HBK戦だけ見ました。
感想は、「流し斬りが完全に入ったのに…!?」っていう感じ。
凄い試合だということです。

あとTNA、浜田文子と契約したのだとか。
是非アメコンと向こうの客が引くぐらいにやりあってください。


さて、来週の半ばからは福岡に帰っての生活です。
一応地元県とはいえ、真帆が出そうな山の中(大げさ)が職場という。
早くPATの用意をしないとなあ。

by right-o | 2009-04-11 20:56 | 競馬
リョナというか何というか。そういうの。

下のオチへの言い訳です。


まずはweb拍手お返事。サバ2落選キャラにもありがとうございます。

>かなり面白かったです

ありがとうございます。
最近は忙しい…というか、ボケーっと妄想に浸る時間が無いので、
ついつい展開が雑になってしまいがちですが、週一以上でなんとか続けていこうと思います。


>みずきはパワーファイターが大の苦手だった覚えが

でしたっけ。実はあまり取った覚えがない…

その辺も育成の融通が利くサバ2ならなんとかなったんでしょうけどね。
キャラが濃かっただけにみずき落選は残念でした。
ちょっと藤原と被ってたとか言いっこなしです。


>来島はコーナーに上がった橘を見て「デッドリードライブかけてください」という意味だと思ったんだろうな

ネイチ的な意味でですね。わかります。

…ん?
そういえば、ハリケーンってマント付けてコーナー上がって、何してたっけ。


>どっしりとした貫禄のある来島さんが格好いいです。パワーの差は大きいですね。みずきがでたので、是非とも藤原の活躍も見たいです。

来島さんは割と落ち着いたイメージがあるんですよね。
龍子や八島とはまた違った姉貴役、ベテラン役として。
そのうち絶対王者来島さんとかもやってみたいと思ってますけど。

実は元々、今回の役は藤原にやってもらおうと思っていました。
みずきに代えたのは、また別の役所を思いついたからなんですが…
激闘龍篇の第二部を始める時に出しますので、気長にお待ちください(汗


>葛城、桜井戦、超面白い!

ありがとうございます。

実はこういう打撃キャラ同士の戦いだと書いてる方も楽しいんです。
やっぱり頭の中に想像しやすいからでしょうか。

そういえば、ずっと前に書いたヒットマン葛城&ガラガラ蛇ライラの続きなんかもやってみたいですね。
いつになるか全くわかりませんが。



と、今回は「ブロンコバスター」「Xファクター」でした。

どういう技かは読んでもらえればわかる…と思います。
どちらも使い手は元WWEのX-PAC。

X-PACといえば何故かもう一つ「ローブロー(金的)」を思い出してしまうんですよね。
そのせいでかなり変なオチになってます。


実際の女子プロでアレが反則かどうかは知りませんけど、多分本当はお咎め無いんじゃないかな。
(男子ほど劇的に)効くかというと……あ、確か神取忍には効くと聞いたような。

「ゼッタイ勝つッ!!!」
 今日の試合について聞かれる度に、つかさは何度もそう繰り返し答えていた。
 自分より先にベルトを獲った同期、辻香澄とのジュニアタイトルマッチ。
 普段は試合そのものより、むしろその前後のマイクアピールで活躍している印象が強いつかさも、
 今回のシチュエーションにはやはり燃えるものがあるらしい。
 本番前の前哨戦からして、つかさらしくないシリアスモードで試合に臨んで来ていた。

(つかさ…本気なんだね)
 ゴングが鳴らされる直前、入場を終えた辻がつかさの目の前でベルトを高く掲げ、誇示して見せる。
「………」
 つかさは微動だにせず、ただ黙って王者の視線をしっかりと受け止め、睨み返す。
(ボクも、容赦はしないよ!)
 いつになく緊張した雰囲気の中、二人の戦いの幕が上がった。


 ゴングが鳴ってもつかさの姿勢は変わらない。
 いつもなら最初からのらりくらりと相手を煙に巻いてしまおうとするところが、
 今回は正面から辻と組み合い、グラウンド、エルボーの打ち合い、さらにタックル合戦と一歩も引かない姿勢を見せた。
 ただ、このままでは辻に勝ちようがない。
「やぁッ!!」
 何度目かのぶつかり合いで、ついにつかさは辻の勢いに弾き飛ばされた。
 体格はほとんど同じだが、やはり真正面から戦ってはつかさに分が悪いのだ。
「ちぇっ!」
 すぐにヘッドスプリングで起き上がったつかさ目掛け、
 ロープに走った辻が、なおも力と勢いに任せた攻撃を狙う。
 つかさはもう張り合うことをせず、その場で右足を軸にして後ろに回転。
 向かってくる辻に合わせてカウンターのスピンキックを放った。
「このぐらいっ!」
 抜群のタイミングで胸元へ蹴り込んだが、それでも辻は倒れない。
 逆に蹴り足をキャッチされたつかさは、今にもどこかへ放り投げられそうである。
 しかし、ここからが今日のつかさの真骨頂。
「うりゃ!」
 左足を抱えられた、お姫様抱っこが崩れたような姿勢から、
 残された右足で踏み切り、左足の上を通ってガラ空きの顔面を蹴りつけたのだ。
 さらに、不意を突かれた辻が背後に倒れた勢いのまま場外まで転がったのに続き、
 つかさは辻の正面に立ってトップロープを掴む。
「!?」
 そのままふわりと飛んでプランチャに行くかと思いきや、まだリング内にいる間に空中でくるりと後ろを向き、
 トップロープに腰掛けるような形でバウンド。
 場外に落下しながら大きく背中を反り、フェイントを挟んだ見事な変形のムーンサルトで辻を押し潰した。
「いくぞぉーッ!!!」
 「吼えるつかさ」という初めて見る絵に、客席は奇妙な盛り上がりを見せた。

 五分、十分が過ぎても衰えないつかさの気迫に、もちろん辻も応えて見せ、
 試合は戦前の予想を上回る好内容で進んで行く。
「…っだぁッ!!」
 辻得意のノーザンライトさえ、つかさは気合で跳ね除けて見せた。
(強い…!)
 同期の友人として間近で見てきた辻の予測を大きく超えて、
 本気になったつかさは手強く感じられる。
 だからこそ余計なことをする余裕が無かったのか、
 辻は起き上がりかけたつかさの頭を強引に捕まえて小脇に抱え、すぐさま二度目のノーザンを放とうとする。
 が、投げるために重心を落とそうとした瞬間、
「うりゃああああああっ!!」
 つかさが全身の力を使って辻を後方に押しやり、そのまま一気にコーナーへ激突させた。
「このっ、このっ、このっ!!」
 次いで体を離すと同時にミドルキックを二発、さらに飛び上がって喉元へのローリングソバット。
「うっ…!?」
 たまらず辻はその場へ腰を落として座り込んだ。
 つかさのイメージからすればこういった鋭い打撃は全く意外だが、
 考えてみれば、普段自分より格段に大きい人間を相手にする場合には、あまり見せようの無い技術なのかも知れない。
 そんなことを考えながら辻が俯いていた頭を起こした時、何故かつかさの股間が目の前にあった。
「くらえっ!」
「うぐッ!?」
 何がなんだかわからないまま、
 つかさは辻の頭とその後ろにあるターンバックルを跨ぐ形でサードロープの上から両足を外に出し、
 辻の首と胸の上へ座って押し潰すように跳ね回る。
 周囲からは相手の顔面に股間を押し付けているようにしか見えないものの、
 食らう方にとってはかなり首へ負担がかかるため、笑えない技ではあった。
 ただ、やはり見た目にはふざけているようにしか見えないので、
 これまでせっかく長いこと緊張感を保ち続けてきた客席から、若干ゆるい笑い声が漏れはじめてしまう。
 そういう雰囲気を、悪いことにつかさの耳は聞き逃さない。
「……もう一回?」
 技を解いて辻を引き起こそうとしていたつかさは、客席の方へ一本指を立てて聞いてみる。
 そこそこのリアクションが得られたのをいいことに、つかさはもう一度、
 今度はちょっとふざけてリングを半周しながら距離を取り、再度座ったままの辻へダッシュ。
「…二度も当たるかっ!」
 が、両足を開いて辻の顔に跨ろうとしたところで、素早く横に逃げられてしまう。
 結果、一番下のターンバックルでお股を強打。
「お、おおぅ……」
 まるで男のようなリアクションを見せたつかさの背後へ、すかさず辻が張り付いた。
「せっかく見直してたところだったのに、あんたは……ひゃっ!?」
 ジャーマンで投げ捨てる寸前、後ろに跳ねたつかさの右足がつかさの腿を割る。
 痛さからというより意表をつかれ、辻は反射的に背中を丸めてしまった。
「アレは真面目な技だもんねっと。そして、これで終わりっ!!」
 振り向いたつかさは、屈んでいる辻の首根っこを上から両手で掴み、その場でジャンプ。
 開脚して尻餅をつきながら、辻の顔面を思い切りマットに叩きつけた。


 つかさがカバーに入り、ゴングが鳴らされる。
 が、勝者はつかさではなかった。
『ただいまの試合、辻香澄選手の反則勝ちでございます!』
「ちょ、なんでっ!?」
 そうアナウンスされても、つかさは当然納得できない。
 好勝負のあんまりな幕切れに、観客もブーイングを送っていた。
「あたしが何したっての!?今日は最後まで真面目に…」
「何したってアンタ、多分―」
 ゆらり、とつかさの背後で辻が立ち上がる。
「はうっ!?」 
 後ろからやや加減しながら蹴り上げ、金的のお返しを済ませてから、渾身の投げっ放しジャーマン。
「痛くなくったって恥ずかしいんだよっ!もうっ!!」
 頭から落ちたつかさを捨てて、辻はベルトを持ってさっさと帰って行った。

 ちなみに、この団体はルールを丸ごと男子の団体から転用していたため、
 股間への攻撃は男女を問わず反則だったのだとか。

by right-o | 2009-04-11 18:37 | 書き物
ありがとうございます。励みになります。

>夢の対決なだけに「なんとなく」扱いしたらもったいないオバケが出(ry

あれですかね、やっぱりタイトル見て「誰?」って思った人も中にはいるんですかね。今回も。
なんとなく旧キャラ強化月間です。

>目が覚めたのは観客の「葛城、料理されちゃった。」の声が聞(ry

蒲焼か何かにされてしまったんですね。わかります。

久々に旧エロ本を見直したら、もうどう見ても葛城が鰻にしか見えない…

>絡みつく展開が多いあたりはやはりウナギ

公式で関節も得意とあったので、絡みつかせてみました。
胴が長いと技がかけやすい…のか?
かかりにくい気はしますけど。

元ネタ的には桜井がフロントネックロック使わなきゃなんですけどね。


何時にもましてイマイチな返しですいません。

今回ですが、2つとも同じ技です。
アイオブ~はハリケーン・ヘルムス、ファイナルカットはカズハヤシなんかが代表的。
元祖はビッグショーでいいのかな?

また週末に何か上げます。では。

「なんだぁ?ありゃ」
 リングの上で、来島は入場してくる対戦相手に目を見張った。
 フワフワしたピンクのスカートに、白と赤のボディスーツのような上半身。
 それに髪と同じ色の大きなマントを翻している。
「最近じゃ、アニメとタイアップしてるレスラーもいるって話だけど…」
 あんなキャラクターは見たことが無い。
「正義の鉄槌、受けてみなさい!」
 花道が終わったところで来島を指差し、決め台詞をビシッと決めたみずきに対し、
 来島はどうしていいかわからず、ただ頭を掻いていた。
(う~ん…)
 この団体の「番人」と呼ばれ、これまで何人もの初参戦レスラーの壁となってきた来島でも、
 今回のような相手は初めて当たるタイプであるらしい。


 とはいえ、対処に困るのは試合が始まる前までの話。
(お、結構動けるな)
 ベテランの域に達している来島は、冷静にみずきの能力と技術を体感しつつ、
 自分を撹乱しようと動き回る相手に対し的確に対処していた。
 長年の経験をほこる来島が、肌を合わせた上で「うん」と言えば、
 その対戦相手はこれから団体で使ってもらえるのである。
 守るだけが番人の仕事ではなかった。
 ちなみに、もちろん来島を倒してしまえば文句ナシの採用となるわけだが、
 それが出来た者はほとんどいない。
(まあ、退屈するまでは受けに回ってやるか)
 という来島の気分が終わったあと、大抵はその右腕の錆にされてしまう。
 その来島のスタンスは、当然みずきが相手であっても変わらない。
 ゴングさえなってしまえばキャラクターは関係無く、物を言うのは互いの力と技あるのみ。
 ――で、あるはずだった。

「っと!?」
 起き上がり様、みずきから唐突にシャイニングウィザードを浴びせられ、
 来島は仰向けになってダウンする。
(そろそろ反撃かな)
 しかし、今度は奇襲を警戒しつつ片膝をついた来島に背を向け、
 みずきはコーナー脇のロープを軽やかに飛び越え、エプロンに着地。
(ん?)
 飛び技か、と、急いで立つべきかどうかを考えている来島の前で、
 何を思ったのか、みずきは試合前に一度脱いでコーナーに掛けていたマントを取って羽織り、
 自分の両肩にパチパチとボタンで留め始めた。
「おいおい、今度はなんだよ…」
 呆れた来島が普通に立ち上がると同時に、マントを固定し終わったみずきはふわりとコーナー上に飛び上がり、
 リング内の来島を見下ろす形で視線が合う。
「な…!なんで立ってるんですかッ!?」
「いや、なんでって言われてもよ…」
「そこは待ってなきゃダメでしょ!正義の味方と戦う悪役的に考えて!!」
「無茶苦茶言うな!だいたい…」
 誰が悪役だよ、と言う前に、
「あー、もういいですっ!!」
 高所から下りるに下りられなくなった正義の味方が、ヤケを起こして悪役に飛び掛った。
 が、何だかいわく有り気なマントを羽織った甲斐も無く、来島の右腕に喉を鷲掴みされて停止。
「終わりっ…!?」
 しかし、そのままチョークスラムで持ち上げられかけたところで、
 正義の味方の小さな右腕もまた来島の喉を掴んでいた。
「正義の味方は、力でも負けませんっ!」
(…オレを上げようってのか!?)
 互いの首を掴み合ったままで対峙する両者に対し、ここで客席から子供の声で、
「がんばれー!!」
 という声援がかかる。
「はいっ!!」
「………」
 満面の笑みで振り返りつつサムアップしたみずきを、来島は無言でマットから引っこ抜いた。
 そのまま叩きつけられて終わりかと思われたが、流石に声援を受けると正義の味方は違う。
 持ち上げられると同時に自らマットを蹴って飛ぶと、
 来島の側面から背後に回り込みつつ巧みに左腕を首に巻きつけ、ドラゴンスリーパーの体勢で着地。
「正義は、勝ぁつ!!」
 そのまま体全体を左に素早く回転させ、
 右腕でショートレンジラリアットを食らわせる形でマットに引き倒す。
 この一発は、来島を危ういところで2.9まで追い詰めた。


「ちょっと!今のは絶対にスリーですよ!正義の味方に嘘をつくんですか!?」
 微妙な判定に納得がいかず、レフェリーに食って掛かったみずきは、
 周囲の状況がわからなくなるほど熱くなっていた。
 客席から「後ろ後ろ」と教えられても気付けないほどに。
「ここは悪の巣窟ですか!?皆で私をハメようと……ッ!!?」
 ゆらり、と何事も無く復活した悪の親玉が、背後から左腕を回してみずきの首を小脇に抱える。
「なかなかイイ技だったけどよ…決めるにはちょっとばかし、腕力が足りねぇなッ!」
 ドラゴンスリーパーの体勢から、体を半回転させてのショートレンジナパームラリアット。
 後頭部をマットで弾ませながら倒れた正義の味方は、完全に沈黙。
「…ま、一応は合格だけど、この技はオレがもらおうかな!」
 豪快な一発に場内が湧き上がる中、
 悪役は大きく拳を突き上げて満場の歓声に応えた。 

by right-o | 2009-04-05 18:59 | 書き物