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「い、今まで悪いことしてきて…本当にすいませんでした」
 互いの髪を懸けた、小早川との試合から一週間後、
 伊達はリングの上から客席に向かって深々と頭を下げていた。
「これからは正々堂々と戦うから、…その…、
 お、応援してください…!」
 後ろ髪の無い頭でもう一度礼をした伊達に対して、客席からは大きな歓声が贈られる。
 具体的にどういう心境の変化があったかまでファンは知らないものの、
 とにかく伊達のフェイスターンは周囲から好意的に認めてもらえた――かと思われたが、
「ちょっと待って!」
 それまで伊達を担いでやりたい放題してきた二人だけは、
 当然ながらこれを許すわけにはいかなかった。
 突然リングに乗り込んできた吉原とつかさは、伊達の話を遮って自分達もマイクを握る。
「遥ちゃん、一体どうしてしまったの?
 私たちは今までうまくやってきたじゃない!」
「そうだよ遥さん!これからも三人で一緒にやってこうよ!!」
 しかし、伊達はもうこの二人に流されることはなかった。
「嫌…私はもう、汚いことはしたくない…!」
 かつての仲間を真っ直ぐに見返す遥を前にして、ついには吉原達も折れざるをえない。
 ただし、かといって大人しく引き下がりはしなかった。
「わかったわ遥ちゃん。…でも、タダでは認めてあげない。
 勝負をしましょう。試合で私に勝つことができれば、あなたの勝手を許してあげるわ!」
 随分と人を見下した物言いではあるものの、
 レスラーなら勝負と言われては引き下がれないということを、十分に計算した上での挑発であった。


「「シッ!」」
 ゴング直後、互いに様子見のローキックを合わせて試合が始まった。
 これまで伊達の後ろに隠れ、ズル賢さばかりが目立ってきた吉原だが、
 基本スタイルは遥と同じ打撃系である。
「ハッ…!」
 まずは伊達が左右の正拳突きから、股裏への強烈なローキックへ繋ぐ。
 これで膝をつかせた相手へ、ロープへ走り込んでから強烈なミドルキックを叩き込むのが伊達得意のコンビネーションである。
 しかし吉原は立ち上がると、ロープから跳ね返ってきた伊達へ反対にカウンターのミドルキックを合わせてお返し。
 この予期せぬ反撃で伊達を棒立ちにさせたかと思われたが、
「ぐ、ぅっ…!?」
 直後、その場で一回転した伊達のソバットが、吉原の腹部をえぐっていた。
 激痛に思わず背中を丸めた吉原の後頭部へ、すかさず側面に回った伊達の踵落としが降ってくる。
(やっぱり普通に戦っても無理ね……!)
 元々この団体での実力は抜けている上に、体格面で伊達は吉原を圧倒しているのだ。
 正面から蹴り合い殴り合いを挑んだところで、とても勝てる相手ではない。
 顔からマットに這わされながら、吉原は鈍く痛む頭で次の手段を考えていた。

 流れが変わるのは五分を過ぎたころ。
 走り込んだ伊達に対し、吉原が抜群のタイミングで左膝への低空ドロップキックを決める。
「うっ!?」
 勢いのまま前方へ転がった伊達は、膝を押さえてうずくまった。
(よし…!)
 ここから吉原の反撃が始まる。
 無理に立ってきた伊達の膝を一旦は容赦なく蹴り崩すと、
 それでもなお気迫で立ち上がる伊達の反撃が効いたと見せ、わざとコーナーまで下がった。
 そして棒立ちを装った自分の横を擦り抜けていく伊達を見送ったあと、
 読んでいた三角飛び式の延髄斬りを屈んで回避。
 べちゃっとマットに這いつくばった伊達の膝を捕え、膝十字で呻き声を上げさせる。
「うっ、く……!」
 これをロープに逃げられると、一旦は大人しく技を解いて伊達を放すと見せ、
 そのまま右足を引っ張ってリングの中央に引き込んだ。
「降参するなら今の内よ。遥ちゃん」
「誰が…!」
 膝を踏みつけている吉原を押しのけ、伊達が強引に立ち上がろうとする。
「それじゃ、少し痛い目見てもらわないと!」
 立ち上がるまでは手を出さなかった吉原は、
 伊達の膝が伸びると同時に容赦無くローを蹴って怯ませ、その隙に素早く頭から伊達の懐へ潜り込んだ。
 脇へ首を差し入れるようにして伊達の上体を支えたあと、両手を下に回して膝頭のやや下あたりを掴む。
「何を…!?」
 訝る間もなく、伊達の体は両膝を曲げた姿勢で宙に浮かされていた。
 そして吉原は、そこから後ろに反り投げるでもなく、
 ただ1mほど伊達を持ち上げてそのまま両手を放し、自分は両足を開く形で尻餅をつく。
 勢い、伊達は足の裏ではなく膝頭に全体重を乗せる形で、両膝からマットに着地させられた。
「ぐぅっ…!!」
 全く予想していなかった足殺しを受け、膝立ちのまま固まった伊達の胸本を、
 素早く立ち上がった吉原のミドルキックが正面から襲った。
 たまらず後ろに倒れた伊達の足を取り、吉原はくるりと回って足4の字固めへ。
「終わりよ。戻っていらっしゃい遥ちゃん!」
 吉原は両手を後ろについて足に力を込めてギブアップを迫る。
 ロープは遠く、逃げ道は無い。
 それでも伊達は強情に首を振り続けた。
「もうあなたの言いなりは嫌…!私はヒールなんかやりたくない…っ!!」
 思い切り歯を食いしばると、伊達は痛む足に力を込め、
 上体を思い切り捻って吉原ごと自分の体を一気に反転させる。
「くっ…」
 こうすることで、今度は足の苦痛が吉原に加わることになる。
 といってまだ余裕のある吉原にしてみれば参ったするほどのことはないが、
 このままでは攻めきれないので、転がることで近くなったロープへ手を伸ばさざるを得ない。
 長く絡まっていた四本の足が解かれると、二人はそれぞれに痛む足を引き摺りながら、
 互いにロープを支えにして立ち上がる。
「はぁッ!」
「このッ!」
 立つと同時に、二人の右ハイキックが交錯。
 体格か、スタミナか、それとも気持ちが吉原に優ったのか、
 散々に痛めつけられた伊達の右足は、吉原のを大きく弾いて体勢を崩させた。
「な…ッ!?」
 間髪入れずに繋いだ左ハイで吉原の側頭部を薙ぎ払うと、
 自分の方に倒れかかってきた相手の首へ腕を回し、ブレーンバスターで持ち上げる。
「この勝負、勝たせてもらいます…!!」
 上がりきったところから体を回転させつつ、吉原を頭頂部からマットへ。
 変形の垂直落下式ブレーンバスターで、伊達が完璧な3カウントを奪った。


「完敗ね…」
 試合後、勝ち名乗りを受ける遥に背を向けて、
 吉原はつかさの小さな肩に掴まりながら引き上げていた。
「うう、泉さん、あたし達これから…」
「大丈夫よ」
 ただ一人だけに戻ってしまった仲間に向かい、吉原は自信ありげに言い切る。
「遥ちゃんが私たちの元を離れたことは、必ず他の誰かにも影響するはず。
 私たち以外にも、誰か遥ちゃんのせいで割を食う人間が出てくるのよ」
 “誰か”と言いながら、遠くを見ている吉原の目には、その人物がはっきりと映っているようであった。
 目立つ一人をリーダーに担ぎ、自分はその下について暴れる。
 それが吉原の、この団体で身につけた彼女なりの処世術であった。

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by right-o | 2009-06-07 19:09 | 書き物
+技「シュバイン」「最強ハイキック」


「色々あったけど、今度は絶対に負けないんだからねッ!」
 挑戦者決定戦で敗れながらも、
 「誰も勝ったヤツを挑戦させるとは言ってない」という屁理屈によって挑戦者にされてしまった小早川は、
 前哨戦を終えたあと、それでも伊達に向かって気を吐いていた。
 しかし、後が無くなった小早川のこの言葉こそ、伊達を背後から操るつかさと吉原の思う壺。
「あらあら、大した自信よね。“絶対に負けない”だなんて」
「でもそんなに自信があるならぁ、ベルトの他にも何か賭けて欲しいな~」
「ああ、何でも賭けてやるよ!その代わりそっちが負けた時は覚悟しろよな!」
 負けないと言った手前、小早川は断れない。
 すかさず、いつも微笑を絶やさない吉原の口から、とんでもない提案が発せられた。
「それじゃあ、髪を賭けてもらいましょうか」
「負けた方が丸坊主!絶対負けないって言ったんだから、別にいいよね~?」
(よ、よくない…)
 相変わらず黙ったままで何も言い出せずにいる伊達の目の前で、
 彼女に何の断りも無く、勝手に敗者髪切りマッチが組まれてしまった。


 それでも、一度リングに上がってしまえば伊達は試合に集中することができる。
 初戦にも増して気迫一杯に向かってくる小早川の攻めを受けきった上で、
 それ以上の力を込めて蹴り返していった。
 負けられない小早川の方も、何度倒されようと夢中で伊達に食らいついていったことで、
 互いの意地がぶつかり合う好勝負になるか、と一旦は思われた。
 が、やはりこの試合を仕組んだ張本人達は、それで満足しない。
「え~いっ!」
 突然エプロンに上がったつかさが、ロープに走った小早川に向けて、
 これまで何度も試合への介入に使われてきた青いプラスチックケースを振るって脳天へ一撃。
 しかし、ここは小早川が読んでいた。
 振り下ろされたところを掴んで受け止めると、そのまま箱を取り上げようと試みる。
「げっ、放せっ!」
「お前が放せっ!!」
 ロープの間からつかさの腹部に蹴りを入れて箱を取り上げると、
 まずは目の前にあるつかさの頭へ叩きつけ、返す刀で、箱の取り合いをおろおろしながら見ていた伊達にも一撃。
 ボンッ、といういい音をさせながら凶器攻撃が決まったが、
 つかさ達の今までの行いが悪すぎたせいか、レフェリーはただ黙って見ていた。
「いくよっ!!」
 一気に勢いを掴んだ小早川は、よろめいてコーナーまで下がった伊達へ串刺し式のダブルニーアタック。
 続けて脇に頭を差し入れて持ち上げ、伊達をコーナーの上に座らせてから、
 一度しゃがんで溜めを作ってから一気に伸び上がり、真下から掌庭で顎を打ち抜く。
 そしてぐったりさせたところで両脇を下から掬って前方に叩きつけ、今度は自分がコーナーに飛び上がれば、
 初戦でも伊達を追い詰めた屈伸式のボディプレスで締める、小早川の必勝パターン…となるはずだったが、
「うふふ、あんまり調子に乗っちゃダメよ」
 コーナー上から飛ぶ寸前の小早川に向かって、吉原が真っ白い粉末を顔面へ投げつけたのだ。
「なっ…ごほっ!?」
 視界を奪い、さらに背中を押してマットへ転落させたあと、吉原が何食わぬ顔で「遥ちゃん、立って!」などと、
 倒れている伊達を励ましている反対側では、つかさがレフェリーを引き付けてきっちり仕事を果たしている。
 完全に反則だが、見事に息の合った連係だった。
(ごめんなさい…っ)
 仲間達のそんな行動を悪いとは思いながらも、伊達は本気で仕留めにかかる。
 今までもこんな調子であの二人に流されてきたが、加えて今回は自分の髪が賭かっている。
 伊達も負けたくはない。
「うっ…くそっ……!」
 起き上がったものの、粉が入ったせいで目が開けられない小早川が、
 手を振りながらよたよたと進んできたところへ、その側頭部を伊達の左ハイキックが薙ぎ払った。
 伊達の左足は完全に振り抜かれ、同時に小早川の頭が限界まで左を向く。
 そのまま、左後ろに向かってゆっくりと倒れていった小早川を見て、
 レフェリーはすかさずダウンカウントを数え始めた。
 ここでフォールに行けば初戦の再現になるが、流石に伊達はそんな気になれなかった。
『1!…2!…3!…4!…』
 しかし、進んでいくカウントを暗い表情で聞いていた伊達の目の前で、
 横倒しになっていた小早川がゆっくりと起き上がり始める。
(お、起きてくるの…!?)
 完全に意識を飛ばしたと思っていた伊達は驚いたが、それだけに、凄いとも思った。
「遥ちゃん、これを…きゃっ!?」
 エプロンからプラスチックケースを差し出した吉原を思わず突き飛ばし、
 完全に立ち上がった小早川に向かって駆け寄る。
(せめて最後だけでも、自分の力でこの子に勝ちたい!)
 大きく足を上げてから斧のような踵落としを見舞うと、
 ぐらついた小早川の頭を小脇に抱えて一気に持ち上げ、捻りを加えた垂直落下式ブレーンバスターへ。
「うおおおおおおおお!!!」
 小早川はこれに雄叫びを上げてすぐさま立ち上がると、
 今度は逆に伊達を捕え、足を交差させて落とす変形の開脚ドライバーを返していく。
 対してさらに伊達が立ち上がってきたところへ、トラースキックで正確に顎を打ち抜いた。
 そして一瞬怯んだ伊達に向かい、低い姿勢から胴体へ組み付いていく。
(タックル…!?)
 意外な動きに戸惑いを見せた伊達を正面から右肩へ担ぎ上げると、
 その長身を背後に回し、脇の下にきた頭を右手で掴みつつ左手で両足を押さえて「コ」の字型を作るように折り曲げ、
 そこから尻餅をついて首からマットへ叩きつけた。
「どう…だッ!」
 伊達に覆い被さりながら、外野を睨みつけてフォール。
 この日のために編み出した新技で、小早川が完璧な3カウントを奪った。


「ああ、もう!帰りましょうよ遥さん!」
「そうよ、あんな約束こっちが守ることないのよ遥ちゃん!」
 強引にこの場を無かったことにしようとするつかさと吉原を押しのけて、
 伊達は自分から用意のハサミを取り、後ろに回す。
 背面で結んで一つに纏めてあった後ろ髪が、根元からぼとりと落ちた。
 それでは終わらず、続けて伊達はリングの中央に置かれたイスの上へ、
 バリカンを持った小早川に背中を見せて座った。
「…やって」
 こうまで大人しくされると、逆についさっきまで息巻いていた小早川の方が困ってしまう。
「い、いいよもう。よく考えたら、あんたが悪いことしてたわけじゃないし…」
「…そう」
 伊達は立ち上がり、四方に向かって礼をしたあと、
 唖然としている二人の仲間を残して一人でさっさと帰って行った。
(なんか、気持ちいいな…)
 後ろ髪と一緒に別のものまで切り捨ててしまったように、その背中は軽やかだった。

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by right-o | 2009-01-15 23:02 | 書き物
 慣れないヒール役に戸惑いながらも、伊達は激闘龍を席巻していった。
 元々、デビューした団体では期待の新人であり、
 さらに数年間フリーとして様々な団体で揉まれてきた伊達の実力は抜けている。
 それに加えて、少し危なくなればすぐに吉原とつかさが試合に介入して相手の邪魔をするために、
 伊達は大して苦戦することも無いまま、ほぼ全てのレスラーを叩き伏せ、
 ついでに激闘龍で唯一のベルトまでいつの間にか奪ってしまった。

 もちろん、他の選手達にとっては面白くない。
 早速、伊達への挑戦者として自他共に認めるエースである小早川が名乗りを上げたが、
「あんた、一回負けてるじゃない」
 と、横から文句を言ってきた者がいる。
 この選手こそ、旗揚げ以来小早川との二枚看板で激闘龍を引っ張ってきた、
 もう一人のエースだった。 


『TOKYOOOOOOOOOOOO!!!!』
 およそプロレスラーの入場曲とは程遠い、ダンスミュージック調の曲が流れる中、
 羽根のついた真っ白いガウンを羽織り、顔の上半分を隠すピンク色の仮面をつけた渡辺智美が、
 客席の中から姿を現した。
 首にチョーカー、耳には大きなピアスをつけ、ヘソの周囲に太陽のタトゥーシールを貼っている。
 そんな渡辺が踊りながら観客の間を練り歩いて声援を受ける様子は、
 プロレスラーというよりはダンサーそのものという感じである。
 またリング上でも本物のダンサー二人が曲に合わせて体を動かしていて、
 入場の最後は、この二人と合流して一頻り踊った後、コーナーから大きく蜻蛉をきって締める。
「さあ、今日もみんなを気持ちよくトリップさせてあげるっ!」
 すっかり会場を自分のものにしてしまった渡辺を、
 先に入場していた小早川が下からつまらなそうに見ていた。
 伊達が参戦するずっと以前からライバル関係にあるこの二人は、
 試合以外の場面でも、常に対抗心を燃やし続けている。

 激闘龍を代表する黄金カードである二人の対決は、まず華麗な空中戦から始まった。
 互いのドロップキックが交錯する立ち上がりから、小早川が場外へきりもみ回転してトルニージョで先制すれば、
 すぐに渡辺もトップロープからのラ・ケブラーダでお返し。
 リングに戻ると、渡辺はコーナーの上に座らせた小早川の前へトップロープを足場にして立ち、
 何故か腰をくねらせてからの雪崩式フランケンシュタイナーで叩きつけたが、
 頭から落とされながら、直後に小早川はこれをローリングクラッチホールドに切り返す。
 互いの手の内がわかっている二人の勝負だけに、どちらも主導権を握らせまいと拮抗した勝負が続いた。

 そうこうしている内に、試合は段々と序盤の華麗さを離れてエグイ次元に突入していく。
「やぁっ!」
 と、渡辺が急角度のDDTで小早川を突き刺して首で立たせ、
「よいしょっ!」    
 のどかな掛け声と共に、小早川はパイルドライバーの姿勢からジャンプして渡辺の頭頂部をマットに叩きつけて、
 さらにスワンダイブ式のフットスタンプで踏みつけて追い討ち。
 こういった危険技を事も無げに繰り出すあたり、この団体の試合は他と少し感覚がズレているかも知れない。
 それはともかく、先に勝負をかけたのは小早川の方だった。
「決めるよッ!」
 左腕で首を抱えてブレーンバスターの体勢に組むと、向かい合った渡辺の右足の膝下辺りを右手で引っ掛けて左足と交差させ、
 上に持ち上げつつ右手を引いて渡辺の体を逆さにしながら、自分は開脚してジャンプ。
 そして頭から落とした渡辺の足を放さずに、そのまま固めてフォールへ。
「…くぁッ!」
 しかし、渡辺はギリギリでこれを跳ね返した。
「チッ!」
 それならば、ということで、小早川は渡辺をコーナーに乗せ、一旦身を屈めてから一気に伸び上がってのアッパー式掌底から、
 リング中央を向いて渡辺の前に立ち、両手で脇を掬って前方に放り投げる。
 ここから大きく体を屈伸させてボディプレスにいくのが必勝パターンだったが、
「ごほッ…!!」
 縮めた体を一杯に開いたところで、待っていた渡辺の立膝が鳩尾を直撃。
 何度もこの技で敗れた経験のある渡辺にしてみれば、格好の逆転ポイントだったのだ。
「よしっ、攻守交替!いくよッ!!」
 腹を押えてどうにか立ち上がった小早川の、さらに腹部へソバットをめり込ませると、
 間髪入れず足の付け根をステップにした低空の延髄斬り。
 そして前屈みにさせたところで、コブラツイストの要領で背後から左腕を首に回しつつ、
 股の間から通した右手で小早川の左手を掴み、その体勢のまま一気に引っ張り上げて小早川を右肩の上でうつ伏せにすると、
 やはり開脚しながらジャンプして、頭からマットへ叩き落した。
「終わりっ!」
 頭の方から両膝を肩に乗せて押さえつけながら、渡辺はカウントを指折り数えていった。


「ちっっっくしょうっ!!」
「へへん。ま、これがあたしの実力ね!」
 はしゃぎ回る渡辺と、マットを叩いて悔しがる小早川。
 なんともわかりやすい勝者と敗者の構図だった。
 しかし、話はこのままでは終わらない。
「さて、伊達ちゃんへの挑戦はあたしに決まりってことで。それじゃ早速勝利のダンスへ……」
「ちょぉっと待ったッ!!」
 伊達、吉原、つかさのヒールトリオが現れたが、何故かつかさがマイクを持ち、
 チャンピオンであるはずの伊達が一番後ろで小さくなっている。
「なに勝手に挑戦者決めちゃってるのかな~?そういうことはチャンピオンが決めるんだよ。
 ね、遥さん?」
「いや、別に私は誰でも……」
 自分で振っておきながら、伊達が何か言いかけると、向けていたマイクをパッと引いてしまう。
「どっちも弱っちぃけど、どうせならその中でも弱い方がいいよね。
 というわけでぇ そっちの悔しがってる方が次の挑戦者ね。はいコレ決定~!」
「え、ちょっと!何よそれ!?」
 リング上で怒っている渡辺より、複雑な表情をしている小早川より、
 そしてブーイングしている観客よりも、誰より伊達こそが内心で、
(それはないよ…)
 と思っていた。
 やっぱり、伊達にはヒールというものがよくわからない。

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by right-o | 2008-11-20 23:28 | 書き物
「ムフー、今日もイジメてあげるよぉ」
「負けないんだからっ!」
 綾対つかさ。
 プロレスラーと言うにはいかにも貧弱に見える二人の戦いこそ、
 ある意味で激闘龍という団体を象徴するものだった。
 伊達はヒール軍団のリーダーとして、吉原と一緒にリング下に控えながら、
 スキあらばつかさを援護すべく二人の試合を見守っている。
(嫌だなあ……)
 背後から感じる観客の視線が痛い。
 参戦から一ヶ月、彼女は相変わらずなし崩し的にヒールを続けていた。


 まずはつかさが不意打ちでトーキックを入れて試合開始。
 そのままロープへ押し込んで反対側に振ると、すかさずうつ伏せに体を投げ出した。
「えいっ!」
 綾はこれを空中で前方に一回転しつつ飛び越すと、
 さらにもう一度ロープの反動をつけてからつかさに取り付き、
 体の周囲を二度ぐるぐる回る変形のヘッドシザースで投げ捨てる。
「うわわわわっ!?」
「えーいっ!!」
 続けてサードロープの下をくぐって場外に消えたつかさに向かい、
 場内(つかさから見て)側面のセカンドロープを踏み台にして、
 正面のトップロープを斜めに飛び越す三角飛び式のムーンサルトプレスで追い討ち。
「凄い…」
 と、ここで、感心している伊達を余所に、吉原は早速綾に手を出した。
 着地を決めて観客にアピールしている綾を背後から蹴り倒すと、
 一旦リング内に放り込んでからつかさに駆け寄る。
「ほら遥ちゃん、ぼーっとしない」
「あ、はい…」
 つかさを助け起こしながら伊達を見上げる吉原は、あくまで笑顔。
 そのくせヒール的な働きは妙に手馴れている。
「んーもう、頭きたもんね!」
 そう言って、つかさはリングへの戻り際にタイムキーパー席の木槌を引っ手繰っていった。
「ど、どうするのそれ…」
 心配顔の伊達の前で、つかさは立ち上がりかけている綾に近づき、
 その頭をコンコン殴り、柄の部分で額をグリグリする。
「いたい!いたい!やめてよ~!!」
「ちょ、ちょっと…」
 嫌がってるから止めなさい、と言うわけにもいかない伊達がオロオロしている間、
 イジメられている綾に対する声援とイジメているつかさへのブーイングが、
 徐々に会場を盛り上げていった。

「ムフフフフフ、もう決めちゃおっかな~?」
 ひとしきり綾を蹂躙した後、満場のブーイングに笑顔で手を振りながら、
 つかさは綾を引き起こしてブレーンバスターの体勢に捕えた。
 綾はつかさよりさらに一回り小さい。
 普段は動き回って相手を撹乱しつつ戦うしかないつかさでも、
 綾と戦う時だけは、力任せに攻めることができる。
 が。
「よいしょっ!」
 頂点まで持ち上げられた綾は、
 すかさず体を捻って、空中で肩をつかさの顎の下に滑り込ませると、
 そのまま前に尻餅をついてスタナーで切り返した。
「ぶっ!?」
 そして顎を押さえてふらふらしているつかさの上に飛びついて、
 肩車の姿勢から顔の前に回りこみながらのフラケンシュタイナーで投げ捨てると、
「いっくよー!!」
 観客を煽りつつ、つかさが立ち上がるのを待ち構える。
 立ったところで、再び助走をつけつつ前から取り付いて体の周囲を旋回、
 序盤と同じく二回転ヘッドシザースにいくと思いきや、
 つかさの背面で背中合わせに止まり、左足を右腕、右足を左手にフックしてから、
 体に反動をつけての十字固めでつかさの後頭部をマットに叩きつけた。
 つかさはなんとか肩を上げる。
「もう、おしまいにするもん!」
 ぐったりしているイジメっ子に対して、綾が可愛くフィニッシュを宣言した。
 しかし、悪いセコンド陣がそうはさせない。
 綾がロープへ走ったところで、
 吉原が、先日伊達の試合でも出てきた青いプラスチックケースを背中に叩きつけた。
(うわぁ……)
 そんな暴挙を笑顔でやった吉原に、観客と一緒に伊達も引いている。
「チャ~~ンス!」
 そして味方の援護ですっかり息を吹き返したつかさは、
 自分の方に向かって力無く歩いてきた綾を捕まえると、
 まず両手を交差させ、ブレーンバスターと同じように頭を左脇に挟んだ。
 次に左手で交差した綾の両手を維持しつつ、右手を股に差し込んで一気に持ち上げ、
 そのままノーザンライトボムで頭から垂直にマットへ突き刺す。
 場内から悲鳴が聞こえてきそうな、つかさの対綾専用の必殺技だった。
「はい、おやすみ~………って!?」
 余裕の表情で押さえ込んだが、綾はなんとかギリギリで跳ね返した。
 この頑張りを、会場全体が綾コールで後押しする。
「ちぇっ、じゃあ次はど~しよ~かな~?」
 と、つかさは場外の吉原にウインク。
 吉原の方は、相変わらずの笑顔で応えた。
「じゃ、遥ちゃんコレお願い」
「え…?」
 プラスチックケースを渡された伊達は、狼狽した。
 リング内では、つかさが、起こした綾を羽交い絞めにしてこちらに向かっている。
「流石にレフェリーが黙ってないだろうから、私はそっちをなんとかします」
「え、ちょ、ちょっと……!?」
 吉原はさっさと反対側に回ってレフェリーを引き付けに行ってしまい、
 後に遥一人がケースを持って残された。
「遥さーん、はーやーくー!」
 つかさに急かされた伊達は、仕方なくエプロンに上り、ケースを両手に持って振り上げた。
 目の前に、自由を奪われた涙目の綾の顔がある。
「ご、ごめんなさいっ……!」
 目をつぶって振り下ろすと、ボンといい音がして、手応えがあった。 
「っ……?」
 が、恐る恐る目を開けた伊達の眼前にいたのは、両手で頭を押さえたつかさだった。
 伊達の一発は、直前で綾にかわされて豪快に誤爆したのだ。
 次の瞬間、伊達はケースごと綾のドロップキックでリング下に叩き落され、
 伊達のいた場所にロープを飛び越えて綾が着地。
「今度こそ、覚悟してねっ!!」
 トップロープから飛んだ綾は、前方からつかさの両肩に座り込んで着地すると、
 そこから急角度のフランケンシュタイナーを決め、固めた。
 伊達に殴られた所からマットに着地させられ、つかさは完全に伸びている。


「わーい!勝ったよ!みんな応援ありがとう!!」
 綾が喜びのマイクアピールをしているのを背中で聞きながら、
 ヒール軍団はいそいそと引き上げていった。
 伊達の長身が、すっかり丸くなっている。
「遥さーん、もうしっかりしてくださいよー」
「ちゃんと相手を見なきゃダメよ遥ちゃん」
(そんなこと言われても…)
 伊達の苦悩は、まだまだ終わりそうになかった。

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by right-o | 2008-10-08 17:55 | 書き物

一人のヒールができるまで 伊達遥の場合


「そ~んなに緊張しなくっても、遥さんなら余裕ですってばー」
「そうよ遥ちゃん、リラックスリラックス」
「う、うん…」
 伊達遥は、これからこの団体での初試合に臨むところだった。
 控え室で緊張している遥を、真鍋つかさと吉原泉の二人がほぐしてくれている。
 遥は苦労人だった。
 デビューした団体が倒産し、それから現在までフリーとして様々な団体を渡り歩いて生きている。
 そんな中、つい先日この団体からオファーがあった。
 名前を激闘龍という。
 メジャーの域には入らないものの、スピード感のある攻防を売りにした独特の試合スタイルで、
 今までプロレスに興味の無かった若年層をファンに取り込み、急速に成長している新興団体だ。
 最初はこの団体独自のスタイルに抵抗を感じていた遥だったが、
 社長の熱心な説得に負けて参戦を承諾したのだった。
 さらに親切なことには、早く団体に馴染むため、
 またマイクアピールが苦手な遥をサポートするための気遣いとして、
 社長はつかさと吉原の二人をつけてくれた。
 明日以降、この三人でユニットを組んでやっていくことになっている。
「そろそろね。行きましょう」
「あ、はい…」
 緊張していたが、同時に遥は張り切ってもいた。
 フリー歴が長い遥には、周囲に仲間のいる環境が懐かしく、心地良い。
(ここなら、長くやっていけるかも…)
 なんとなくだが、そういう思いがしている。


『♪見上げれば~星のように~』
「「ハ・ル・カー!」」
 見た目に似合わず古めかしい入場曲の合間に、一部の観客から合の手が入った。
(私のこと、知ってくれている人がいるんだ……!)
 と、花道を進む遥には、それだけのことが心強い。
 緊張と興奮からすっかり無表情になってしまった顔に、ほんの少し赤みがさした。
 リングインして青コーナーに控えると、すかさず両脇につかさと吉原が控える。
 じっと対戦相手を待つ遥は、最近になく気合が入っていた。
『I!like!colaaaaaaaaa!!!!』
 その相手、小早川志保の入場曲は絶叫から始まる。
 まず観客を煽ったりテレビカメラに向けて表情を作ったりしたあと、
 花道をダッシュで走りきり、そのまま勢いを止めずにリングサイドの観客全員とハイタッチ。
 リングインした後も常に落ち着かず動き回っている様子は、大きな子供のようにも見える。
 そのくせ、表情は所々ふてぶてしさを感じさせ、
 若いながら緊張とは全く無縁の大胆さを持っているようでもあった。
 彼女こそが、押しも押されもしない激闘龍の大エースである。


 が、試合が始まってみると、まず遥が圧倒した。
 ゴング早々に突っ掛かってきた小早川をいなして首投げで転がすと、
 尻餅をついたところに背中への強烈なサッカーボールキック。
「がッ!」
 凄まじい音を立てて決まった一撃に、小早川は一瞬呼吸ができなくなる。
「く、こんのォッ!!」
 それでも意地で痛みを忘れると、両手でマットをバンと叩いて立ち上がり、
 すぐさま遥にエルボーを浴びせていった。
 しかし遥は、顔色も変えずにローキックを膝裏に叩き込んで片膝をつかせると、
 小早川の胸板にこれまた強烈なミドルキックを連発。
「せッ!」
 五発目を喉元に蹴り込んで薙ぎ倒すと、そのまま胸の上に片膝を乗せてフォール。
 これを返されてもすぐに立たせ、ニーリフトをぶち込んで動きを止める。
 続いてコーナーに振り、顔面に串刺しのフロントハイキックで追い討ち。
 たまらず小早川は崩れ落ちた。
(よしっ…)
 淡々と普段通りに自分の試合を進める遥に対して、
 見ている観客の方はすっかり呆気に取られている。
 いつもこの団体で繰り広げられている試合とは違う、凄まじいハードヒットのプロレス。
 自分達のエースを事も無げに叩き潰す存在に対して、徐々に反感が芽生えつつあった。

 といって、小早川もこのままでは終わらない。
 カウンターのトラースキックから、相手の足を組んで逆さまに落とす変形の開脚ドライバーで遥の長身を投げきると、
 ダイビングフットスタンプやジャンピングパイルドライバーなど過激な技で反撃する。
 ただ、それでも遥の余裕は奪えない。
「ッ!?」
 串刺し技を狙ったところを逆に踵落としで迎撃されると、
 コーナーに背を向けて痛がっている小早川の後頭部は、格好の的になった。
(今だ…!)
 遥は、まずリング外を向いて素早くコーナーに飛びつく。
 右足をトップロープ、左足を別サイドのセカンドロープに掛けた状態から、
 リング内へ振り向きながらジャンプしつつ、背中を向けている小早川に延髄斬りを決め、
 そのまま飛び越して前方に転がって着地。
 派手な技が好まれるこの団体に参戦するにあたって、
 遥が一生懸命考えた、三角飛び式の延髄斬りだった。
「終わりっ……!」
 すぐに立ち上がった遥は、棒立ちになっている小早川をブレーンバスターの体勢に捕らえ、
 一息で一気に持ち上げる。
 遥の得意は、打撃だけではない。
 上げきった状態から、自ら回転して捻りを加えながら垂直落下で落とした。
「うわぁッ!!」
 渾身の垂直落下式ブレーンバスターから両足を抱えてガッチリ押さえ込んだ遥を、
 小早川は全身を使ってどうにか跳ねのける。
(意地、なのかな)
 必殺技の一つを返されたところで、遥は動じない。
 小早川が起き上がらないと見るや、ニュートラルコーナーに近づき、
 一旦脇からロープをくぐってエプロンに出ると、内側を向いてコーナー上に登り始めた。
 さきほどの延髄斬りと同じく、この激闘龍で受け入れられたいという気持ちから出た行動である。
 遥は試合中にコーナートップに立った経験がほとんどなかったが、
 とりあえずミサイルキックぐらいは見様見真似でなんとかなると思っていた。
 流石に、このあたりは「余裕」を通り越して「油断」の域に入っていたのかもしれない。
 もたもたとコーナーを登り切った遥の視界に、小早川はいなかった。
「……!?」
 そのことに驚く間も無く、遥の眼前に火花が散る。
 一瞬前、コーナーの真下に前転して潜り込んでいた小早川が、
 全身を使って飛び上がり、遥の顎を掌底で打ち抜いたのだ。
「くっ!?」
「うぅぅりゃああッ!!」
 小早川は、よろけた遥に背を向けてサードロープ上に立つと、
 下から遥の両脇を抱え上げ、自分も開脚してジャンプしつつ遥を前方に投げ出した。
「いっくぞぉッ!!」
 何がなんだかわからない内にコーナーからマットに叩きつけられた遥を尻目に、
 小早川はリング内からひとっ飛びで赤コーナーに飛び乗り、叫ぶ。
 エースの必殺技フルコース最後の仕上げに向けて、観客は一斉に盛り上がりを見せた。
 続いてロープを蹴って跳躍すると、組んだ両手を開いた足の間にくぐらせて一度身体を丸めたあと、
 今度は一気に背中を反ると同時に、仰向けに寝ている遥の腹部を自分の腹で押し潰しにかかった。
 遥の身体の上で、小早川が大きくバウンドする。
「ぐぅッ!?」
 思わず遥が呻き声を立てるほどの衝撃だった。
 仕掛けた方も無事では済まなかったが、小早川は痛みを押し隠してカバーに入る。
(これで決まりっ)
 しかし、カウントが2まで数えられたところで、
 場外から青いプラスチックケースが飛んできて、小早川の後頭部に当たった。
 直後、遥が肩を上げている。
「痛ッ…!!何すんのさ!?」
 命中弾を受けた頭を押さえて振り向いた先には、ロープを挟んでニヤつくつかさがいた。
 この時、つかさと逆のサイドでは吉原がエプロンに上がってレフェリーの気を引いている。
 遥自身は、おめでたいことに、どちらにも気づいていなかった。
「人の試合の邪魔するなっ!!」
 そう言ってつかさを追い払い、遥の方へ向き直った瞬間、小早川の意識はブラックアウトする。
 起き上がった遥の左ハイが、側頭部を襲ったのだった。


 試合後のリング上、反則があったことを知らない遥は、満場からのブーイングに戸惑っていた。
 セコンドに起こされた小早川が、前から凄まじい目で睨んでいる。
「遥さん遥さん」
「え……?」
 後ろから手を引かれ、屈んだところへつかさが(あたしに任せて)と囁いた。
 そしておもむろにマイクを掴む。
「え~っと~、遥さんが言うには、『今まで色々な団体を見てきたけど、ここが一番弱い』ってさ!」
「は……?」
 その場にいた誰よりも、遥が一番驚いた。
「そう、遥ちゃんの言うとおりよね。ウチは今のようなぬるま湯のままではいけないわ」
 吉原までつかさに合わせる。
 遥はただ目を白黒させるしかない。
「だから、私たち三人一緒になって、これから団体を変えるためにやっていこうと思うの」
「…反則で勝ったクセに、何言ってんだよッ!?」
 飛びかかってきた小早川を二人掛かりでリング外に放り出すと、
 つかさと吉原は遥の両手を上げ、三人の結束をアピールする。
(ど、どうなってるの……?)
 団体内に刺激を与えるため、最初からヒールに仕立て上げる目的で雇われた。
 ということを完全に理解するまで、遥にはもう少し時間がかかった。

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by right-o | 2008-09-25 00:22 | 書き物