<   2012年 10月 ( 7 )   > この月の画像一覧

秋の天皇賞、△エイシンフラッシュ→◎フェノーメノで決まったため、
◎から流してた馬連をゲット。
▲カレンブラックヒルは5着でしたとさ。
いやー、しかしデムーロは格好よかった。


web拍手お返事 なんか結局ペース上がってない気もしますがありがとうございます。

>例え主役でも、相羽にした事は許せません!謝ってこそ、人間的にも成長します! あと、白石の話が出た時、改めて相羽1人だけ海外に行っていないのが引き立ってしまいました。後日談でもいいから、海外に行かせてあげてほしいです。(以前の強化回みたいにしてでもいいから)

……このままなし崩し的に仲直りさせようとは思ってたりして。
あー、まあそういうケジメはあった方がいいかなあ。

海外はもう別に行かせてもいいんですけど、その前にベルトを引っぺがす作業があります。
これを成長に繋げられればというところ。


>まぁ、なんつうか…普通にSSを楽しんでいる人もいますよ と

ありがとうございます。
多分あんまり試合は受けなさそうなんで、それ以外もちょくちょく入れていければと。

>4WAY戦だと 関節系は不利かなぁ

そうなんですよ。
誰が勝つのかは割と明らかな流れでありながら、
ソレを勝たせる試合展開がなかなか思いつかないという。


明後日かその次ぐらいには……

[PR]
美月:説明は……もういいですよね。
ジョーカー:いいんじゃない?今更新しく見てくれる人が増えるとは思えんし。


天皇賞(秋) GⅠ
◎フェノーメノ
○ダークシャドウ
△エイシンフラッシュ
△ナカヤマナイト
△ジャスタウェイ

美:思い返してみると、案外3歳馬って走ってると思いませんか?
ジ:まあ最近の一着はないにしても、有力馬はきっちり結果を残してると言えるのかな。
美:あと古馬勢はぶっつけだったり状態に不安があったりする馬も多いので、
  府中実績はほぼ完璧といえるフェノーメノから。

今週の切札!

▲フミノイマージン

ジ:今回は天覧競b……
美:いや出てねーから、そもそも。
  天覧競馬で前走札幌記念勝ちの牝馬ヘブンリーロマンスが
  勝った時のパターンって言いたかったんだろうけど。

▲カレンブラックヒル

ジ:シャレのわからない奴だなあ。じゃあいいよコレで。
美:じゃあってアンタ……


ジ:美月が外した一番人気を切札で指名する。これは来るパターンだなm9
美:そうですかねえ……

[PR]
by right-o | 2012-10-27 22:52 | その他
「ま、せいぜい頑張ってくださいよ。内田先輩」
 越後との試合を終え、バックステージに引き上げて来た美月は、
 すれ違いざまそう言って内田の肩を叩いた。
 意趣返しのつもりであったが、当の内田は意に介することなく、
 無言のまま入場ゲートの方へ向かって行く。
(なんだ、面白くない……)
 自分の試合前に余計なちょっかいをかけられた美月にしてみれば、やり返したいところであった。
「……とはいえ、本気で頑張って欲しいところではあるんですが」
「え?」
 前を向き直ってぼそりと呟いた美月の横で、神田が怪訝そうな顔をする。
「だって一番楽な相手じゃないですか。あの中では……」
 それが美月の本心であった。


 メインイベント、代々木第二のリングにカン高い三味線の音が響き、
 まずは草薙みことが入場ゲートから姿を現した。
 ガウン代わりの白い大きな羽織りをはためかせながら、唇を真一文字に結んでリングへ向かう。
 生真面目なのはいつものことだが、今夜のみことには更に厳しい覚悟が感じられた。
 これまでタッグ王座にを二度、中堅王座を一度獲得した気鋭の若手は、
 盟友である柳生美冬に代わり美月への挑戦へ手を挙げたのだった。
 続いて場内が一気に暗転すると、
 スクリーンに、灯りを消したロッカールームのベンチにタオルを被って座る女性の姿が映った。
 低い笛のような効果音から始まる入場曲が徐々に高まるにつれ、
 汗の滴る顔が次第にアップとなり、タオルの下から爛々と光る眼が覗いた。
 続いて現れた本人、六角葉月がリングを見つめてにやりと笑う。
 ジュニア以外全てのベルトを二度以上巻いた経験のある大ベテランは、
 気負った様子を微塵も感じさせず、一人悠々とロープをくぐった。
 六角がニュートラルコーナーに背中を預けると同時、
 今度はがらりと雰囲気の違う伊達の入場曲が流れ始め、
 これまで期待と興奮を押さえ静かに見守っていた客席から一斉に手拍子が鳴り響く。
 歌詞の合間。「ハ・ル・カ」の合いの手に呼び込まれるように、
 伊達遥の長身がスクリーンを背負い揺れていた。
 前々代のヘビー級王者にして現王者相手に完勝した実績のある実力者は、
 文句無くこの試合の大本命である。
 そんな伊達の入場が終わるより早く、
 本人の気負いが現れたかのように被り気味の前奏が鳴り始め、
 最後の参加者がその姿を現した。
 青い炎を象った仮面を被ったラッキー内田は、
 曲調が激しいものに変わると同時、いつになく走ってリングへと向かう。
 エプロンからひとっ飛びでトップロープを飛び越すと、
 入場用の飾りでしかないマスクを投げ捨て、厳しい視線を四方へと走らせた。
 美月への挑戦へ真っ先に手を挙げたレスラーにして唯一の現ベルト保持者は、
 さして誇る様子もなく、肩にかけていた中堅ベルトを場外の早瀬へ放って寄越した。


「さて、どうなるか。ここは見ものだな」
 直前の試合を終えた越後と美月はじめ、
 バックステージにいる全レスラーが、モニターの中で勢ぞろいした四人を注視していた。
 「誰が勝つと思う?」と、誰かと顔を合わせる度に聞かれたが、
 美月にもさっぱり予測がつかない。
 パートナーの美冬によく似た実力と執念深さを持つみこと、
 場数と実績では頭一つ以上抜けている六角、そして現に自分を一蹴してのけたことのある伊達。
 考えてみれば、これまでたまたま当たる機会がなかったみことを含め、
 美月はこの中の誰一人としてシングルマッチで勝ったことはない。
 とはいえ、唯一内田が、美月から見ればまだしも楽な相手に思われた。

[PR]
by right-o | 2012-10-17 23:37 | 書き物
web拍手お返事でございます。いつもありがとうございます。

>「美月VS越後」という試合ですが、これだと「相羽VS神田」の方も組まれるわけですね。「相羽VS神田」は「相羽が神田をジャーマンで失神KO」で、ハッキリと相羽だけで勝利という展開を想像しました。(というか、最終的には美月も「今までバカにしたりしてすいませんでした!」と謝ってほしいですね。)

いやだから最終戦のメイン前なんだってば。
そして美月が主役なんだってば。

まあ今の相羽対神田なら相羽が勝つんでしょうがね。
ただし相羽は暫く試合は無いかな。多分5、6回は後になるかと。


>杉浦はマウスピースを使っての試合だったんですね。見事に越後を退けました! 「小物いろいろ」で相羽との関係も元に戻ったようで、これで白石が戻ってくれば……ところで、白石って今はどこで何をしてるのでしょうか?

実はバックドロップの場面までマウスピースのことすっかり忘れてたんですけどね。

白石さん前回登場時と同じ場所で頑張っています。
次の展開に少し関わってくる予定ですが……いつになることやらorz


次の試合はどうしようかなーというところです。
予定では内田対六角対伊達対みことでしたが、別にこれ書かんなら書かんでもいいしなあ。

ああもうさっさと美月からベルトを引っぺがしてやりたい。
じゃないと次に進めない。

[PR]
お久しぶりでございます。


さて。
技SSタグも気付けば141となり、まあ大半が最初の2,3年に書いたものなんですが、
最初から見直すのも面倒くさくなてきました。

前にやったような気もするけど、ちらっと見た限りはなかったよな……


web拍手お返事 こんなに間が空いたのに……ありがとうございます。

>こういう小物を使おうとする杉浦美月、ちょっと好きです。ボクサーとして神田の意見をじっくり聞きたい……。

最初見たのはカート・アングルだったかなあ、プロレスラーがマウスピースってのも似合うなと思って、
それがどういうわけか美月と結びついてこんなんできました、という。

そうそう神田の意見なんですが、
「筋力が上がるかどうか知りませんが、
 先輩顔蹴られること多いんで口の中を切らないようにするためにはいいんじゃないでしょうか」
と、最初言わせようかと思い、何か流れが悪くなってやめた経緯が。

というか、実際ボクシングのマウスピースと、
バキの最初の方に出て来たようなテンプレートって全く別物?


正直なとこ、まだweb拍手がもらえるとは。
嬉しい限りです。

これからはなるべく更新できるようにしますんで、よろしくお願いします。

いやね、確かにこの1年は環境変わってキツいんですけど、
そのせいでお酒に逃げ過ぎてそろそろ体か心かマズイんじゃないかと。
で暫くは落ち着くはずだし、なるべくこっちの方向に現実逃避してお酒を減らす方向で。

……あと、今年オフで会った人にやたら太った育った言われるのも多分お酒のせいだし。


今後は順当に行けばこのままのだらだら路線。
そしてなるべく早く龍子の話を終わらせたい。

そういう感じで、まだ見ててくれてる方ありがとうございます。

[PR]
 東京、国立代々木競技場第二体育館。
「さて、行きますか」
 美月は、自分の試合を終えてTシャツ姿の神田を伴い、
 これからセミファイナルのリングへ上がるところである。
「ちょっとそこの」
 控室を出、設営された入場ゲートの裏まで来た時、後ろから不躾な声がかかった。
「間違っても負けるんじゃないわよ。苦戦してもダメ。一蹴しなさい」
 内田であった。
 彼女はこの後、メインイベントへの出場を控えている。
 既に着替えを終え、手足を入念に曲げたり伸ばしたりしながら、
 内田は、自分を完全に無視した体の美月へ一方的に言葉をかけ続ける。
「もしあんたが負けたら、私の試合の意味が無くなるかもしれないんだから」
 この次のメインは美月への挑戦者決定戦であり、その出場者に内田も名を連ねているのだ。

 ここ一カ月は谷間のシリーズであった。
 最終戦の今夜、組まれているタイトルマッチはジュニアのみで、
 専らヘビーとタッグのベルトへの挑戦者を決めることがシリーズそのものの主題となっていた。
 そうなると、勢いどうしても現王者たちがカードから浮いてしまう。
 結果、美月対越後というヘビーとタッグの王者同士の対戦カードが組まれることとなった。
 特にテーマの無い試合ではあるが、それでももし越後が美月から3カウントを奪うようなことがあれば、
 その後の挑戦者決定戦の結果がどうあれ、美月としては越後を無視できなくなる。
 それが内田には少しだけ面白くなかった……のだが、
 美月に言わせれば、他人の心配の前に自分の心配をしてろというところであった。
 

 王者を迎える熱気と歓声に包まれてロープをくぐり、赤コーナーに上ってベルトを掲げる。
 まずは観客に対して、次いで大きなアームで操作され空中に浮いているテレビカメラに対し、
 右手で掲げたベルトを左手でそっと撫でて見せた。
 貫録というか慣れというか、戴冠当初に比べれば随分とベルトがサマになってきた美月である。
 空中で反転しつつコーナーから飛び降りると、
 こちらも同じようにタッグのベルトを掲げた越後の顔が目の前にあった。
 互い、無表情。
 見上げる美月も見下ろす越後も、大した試合ではないと言わんばかり、
 素っ気ない表情を崩さなかった。

 ゴングが鳴ってからも、二人は静かに腰を落として向かい合い、まずは落ち着いた立ち上がりと思わせる。
 じりじりと距離を詰める両者の手が触れるか触れないかという時、
 美月は越後の左側をすり抜けて越後のバックを取った。
 瞬間、越後は体を捻じって美月の首を左脇に捉え、そのまま自分の前に投げようとする。
 と同時に右腕で美月の両足を抱えみ、マットに転がした美月を上から完璧に押さえ込む。
「……くっ!」
 意表を突かれたものの美月はどうにか跳ね除けてみせた。
 しかし立ち上がりかけたところで今度は前から首を抱え込まれ、流れるように首固めへ。
 この流れはなんとなく想定できていたため、美月は冷静に重心を移動させて相手を転がし、
 逆に越後の肩をマットにつけた。
「ちっ」
 あっさりと体を解いた越後は、立ち上がった美月へやや助走をつけた強烈なエルボー。
 これが美月の顎に入った。
 ふらつきながら踏み止まった美月は、いいようにされているフラストレーションをぶつけるため、
 お返しとばかり肘を振りかぶる。
 だがここまでが越後の狙いであった。。
 美月が振るった右腕へ根元から自分の右腕を絡め、体重をかけて引き倒しつつ右足を絡めて固める。
 これは打ち合いに意識が向きつつあった美月を巧妙に陥れ、完全に不意を突いた。
「……ンのッッ」
 どうにか足を振りほどいて肩を上げ、思わず美月はレフェリーにカウントを確認する。
 目まぐるし過ぎて耳が頭についてきていないが、とりあえず目の前の手は指を2本立てていた。
 観客と同時に心の中で安堵のため息を吐きつつ、次に対戦相手へ目を向ける。
 越後はロープへ走っていた。
(もう引っ掛からない……!)
 意識して頭を急速冷凍させた美月は、
 越後が反動を受けて走り込んできたところを見計らい、カウンターのトラースキック。
「ぐっ」
 下から顎を蹴り上げられながら、越後はそのまま再度ロープまで後退し、
 もう一度反動をつけて向かって来た。
 これを美月は、地面すれすれからタックルを仕掛けるようにして越後の背後から脇の下に張り付き、
 口のマウスピースを噛み潰す勢いで全身に力を込める。
 越後に抵抗する間を与えず、捻り式バックドロップで投げ捨てた。
 更に頭からマットに叩きつけられた越後が起き上がるところへ、相手の膝を踏み台にしての顔面蹴り。
 そこから越後の首元をへ膝を乗せてカバー。
 一気呵成に攻め込まれ越後だが、どうにか美月を跳ね除けた。
 それでもダメージの残るところを、美月は掴んで引き摺り起こそうとする。
 そうしながら、これで終わりとばかりに観客席を見まわして見得を切った。
「……舐めるなッ!」
 と、次の瞬間、美月の腕を振り払った越後は、屈んだ状態から飛び上がっての延髄斬り。
 側頭部を直撃された美月は両膝を折って前に崩れ落ちた。
 すかさず越後は美月を引き起こし、パワーボムの体勢。
 高々と持ち上げてから、腰を折る形で前方へ叩きつけ、がっちりと固める。
 これはどうに美月が肩を上げたが、越後は更にもう一度パワーボムの体勢へ。
「終わりだっ!」
 越後は宣言してから美月を抱え上げ、今度は旋回式のパワーボムを狙ったが、
 上げられたところで美月は両足を越後の脇に引っ掛けながら越後の背中を滑り下り、
 前方回転エビ固めに切り返す。
 これを越後は。逆に体重の軽い美月の両足を抱え込みつつ体を起こし、
 反対に美月の上に乗る形で押さえ込んだ。
 しかし美月は再度両足に力を入れて元の体勢に戻そうとし、対して越後は逆らわず、
 自分を引き倒そうとする力を利用して後ろに転がって起き上がる。
「このッ」
 そして立ち上がろうとしている美月へローキック。
 美月はこれを正面から受け止め、左手で蹴り足を受け止めながら右手で越後の首を抱え込み、
 首固めで強引に押さえ込んだ。


 終わってみれば5分と少しの短い試合であった。
 3カウントと同時に跳ね起きた越後は流石に渋い表情を浮かべ、美月は小さく舌を出す。
「……格下のあしらい方がうまくなったな」
 そんな皮肉を言いながらも越後は試合後に自ら美月の手を掲げてくれたが、
 美月としては内心冷や汗ものの試合であった。
(まあでもこれで、ややこしいことにはならないだろうし)
 ひとまず内田の要求には応えることができたようである。

[PR]
by right-o | 2012-10-08 22:31 | 書き物
「……っりゃぁッ!」
 リング上、美月の背後を取った相羽は躊躇無くジャーマンを放った。
 一息で背後へ放り投げられ、美月は頭からマットへ真っ逆さま――と思いきや、
 投げられた勢いのまま後方へ一回転して立ち上がる。
「……せぇッ!」
 美月より遅れて立ち上がった相羽の脇へぴたりと張り付き、
 お返しとばかりに半円を描く捻り式のバックドロップ。
 相羽も頭から突き刺さったように見えたが、こちらも即立ち上がって渾身のエルボー。
 美月も飛び掛かる様に肘を突き出し、二人はリング中央で交錯。
 どちらもばったりと天井を向いて仰向けにダウンした。

「熱心なのはいいんだが、練習で頭から落とすのは感心しない」
 道場のリング下、本番さながらのスパーリングを終えた相羽の後頭部を氷嚢で冷やしながら、
 越後しのぶがやんわりと二人に苦言を呈した。
 隣のベンチでは美月が、同じように神田から首筋へ冷却スプレーを噴射されている。
「すいません、つい熱くなっちゃって」
「すいません、ついイラッときて」
 え、ちょ、と素直に凹んでくれる相羽が面白くてついこんなことを言ってしまう美月は、
 すぐにウソウソとばかりに左手を振ってみせた。
「まあちょっと試合に近い感じで試したいことがあったので、
 なるべく遠慮しないよう事前に和希さんに頼んでたんですよ」
「ひょっとしてそれか、試したかった物って」
 べっ、と美月が口から出して端にくわえた物を見て越後が聞いた。
「……何それ?」
「あ、マウスピースですか」
 元ボクサーの神田には当然見慣れたものである。
「そう」
 美月はくわえていたマウスピースをタオルの上に吐き出した。
「噛み合わせをしっかりすることで普段以上の筋力を発揮できるとか聞いたもので、試してみました。
 確かに効果があった……ような気がします」
 マウスピースは、ボクシング等の格闘技においては口中の保護、
 特に舌を噛むことを防止するために着用が義務づけられている。
 だがそれ以外にも、美月の言うように普段以上の筋力ないし瞬発力を引き出せる効果もあるとか。
「ま、非力なもんですから、これぐらいの小細工はね」
 そう言って美月は、プロレスラーのイメージとはかけ離れた自分の細腕を撫でた。
「と言ってもお前、この前の試合で神楽を投げ切っただろう。あれぐらいできれば十分だと思うが」
「あれは腕力というよりタイミングですから」
「あ、神楽さんって言えばさ、何か今日膝に巻いて歩いてたよ」
 首を左右に回して具合を確認しながら相羽が口を挟んだ。
「膝って……この前の試合では痛めたような素振りはなかったですけど」
 んー、と相羽は顎に人指し指を当てて思い出し顔。
「でも何かかなりガチガチに固めてるっぽっかったなあ。何て言うんだろアレ?」
「ひょっとしてニーブレイスじゃないですか?」
 神田の言うニーブレイスとは、膝と周辺の損傷部位を固定するための装具である。
 しかし美月が思ったように神楽は怪我などしておらず、
 膝に装着したそれを凶器として使用することを企んでいるだけなのだが、
 神楽が使うにはちょっと地味で陰湿な凶器かもしれない。
「ニーブレイスとか、まあテーピングもそうだが、
 個人的にはああいうものをしたままリングに上がるヤツの気が知れない。
 “ここが弱点です”って相手に向かって言ってるようなもんじゃないか」
「まあそれもそうですけどね」
「あ、そうそう、ところで前から思ってたんだけどさ、
 神田さんってオープンフィンガーグローブは着けないの?」
「オープンフィンガーグローブですか……」
「うん。だってあれ着けたら拳で殴っても反則にならないんじゃなかったっけ?」
 相羽に聞かれた神田はちょっと考えて答えた。
「私は元々ボクシングですからオープンフィンガーは慣れませんし、
 ……それに一応、プロレスで勝負しようと思ってますから」
「そうそう、パンチはここぞという時に使えばいいんですよ。安売りしてはダメ」
「といっても素手じゃ殴った方も殴られた方も無用な切り傷なんかをつけてしまうので、
 バンテージは巻くようにしています」
「……同じことを柳生美冬に聞かせてやりたい」
 神田と同じく強烈な打撃、特に蹴り技を使いながら、
 あえて足に保護のレガースを着けない主義の柳生美冬。
 恐らく自分の足は徹底的に痛めつける修練をしたことで既に痛みを感じないレベルなんだろうが、
 蹴られる方は全くたまったものではない。
「その辺、凝る人間はリストバンドから靴下まで凝るからな。
 ある意味それはそれでプロレスラーとして正しい姿勢だが」
「私も大事な試合では勝負ネクタイをするようにしていますよ」
 さらっと冗談を言ってみた。
「っていうかさ、あれ何か意味あるの?何でコスチュームでネクタイなの?」
「いつかその内引っ張られたりするんじゃないですか?首締まって危ないですよ?」。
「実際あれ何なんだ?胸の谷間を強調してるのか?」
「……さあ」
 本当のところ、デビュー時からそういう風に用地されていただけで、
 美月も自身あれが何のためにあるのかは知らなかった。

[PR]
by right-o | 2012-10-02 00:27 | 書き物