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流石に可哀そうなので、その内なんとかします。


web拍手 やっつけ感漂うキャラですがありがとうございます。

>もっさりとかなっさりとかに期待。(カレーマン)

もっさりはともかくなっさりは……と思ったけど、ジャックナイフパワーボムもいいなあ。
まあゴールドバーグにはならんようにしたいです。

ひょっとして入団したところが被ってるんじゃないかと思ってたりします。


>相羽は幸せにはならないんですね……でも、神田が出た! 神田と杉浦のまさかのタッグ結成か!? そして相羽は誰とタッグを組むんだ!? 今後も目が離せません!

今のところ不幸のズンドコといったところですが、ほんの少しだけなんとかするようにします。
そういうわけで相羽のパートナーは美月神田よりかなり上の人にしようかなと。
いつもありがとうございます。


さて右ストレート。
れっきとした大日本のデスマッチヘビー級王者、伊東竜二が使う技ですよ。
……右フックだったような気もするけど。

元ボクサーというと、オーランド・ジョーダンとかマイク・バートンがそうだったような気がするけれど、
ウィキペディアには特に記述無し。
OJは実況でそう言ってただけ?
バートンはゴールデンレフトのイメージが強いから?

まあ何にせよキックボクシングなんかよりはプロレスに向きません。

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 神田の話は長かった。
 自己紹介から始まって、自分が入団した経緯、練習への取組み方と現在の状況まで、
 遠慮がちながら真摯に話し続けたため、要点を端折ってくれとも言えなかった。
「……で、ですね。あなたが神田幸子さんという名前で、
 ボクシングからプロレスに転向して半年前に入団した後輩で、なのに私より2つ年上で、
 これまで特別扱いされながらも真面目に練習してきたことはよくわかりました。
 でもその、結局私に何をして欲しいんです?」
「わ、私は、もっとプロレスが巧くなりたいというか、もっと良い試合がしたいんです!」
 強くなりたい、とか言わないあたりは、流石真っ当な格闘技からの転向者だろうか。
「杉浦先輩のことは、自分が一ファンだった時からずっとテレビで見ていました。
 ジュニア戦とか、メキシコとか、体格的に恵まれていないのに凄い活躍をされていると思います。
 そんな杉浦先輩から、是非アドバイスをいただきたいと考えました!」
 真剣な顔で言い切られて、美月は戸惑ってしまった。
 ジョーカーからも似たようなことを言われたが、自分がそういう風に見られているのかと思うと、
 何か照れるような、でも何か素直には喜べないような、複雑な心境になった。
「……いかがでしょうか」
「え、ああ、そうですね」
 とりあえず、神田の事情を聞いて悪い気はしなかったので、美月も真面目に応えてみることにした。
「ひとまず試合なり練習なりを見させてもらわないと、何とも言えません。
 今日、試合が組まれてたりしますか?」
「あ、はい!ええと、今日は確か試合が……だ、誰だっかな相手は……」
 神田は、荷物の中をごそごそと探し回り、シリーズ全体の日程表を探し出す。
 そこには、確かに今日の興行に神田の名前が載っていた。


 数時間後、試合が組まれていない美月は、
 体育館の中を暗幕で仕切ったバックステージから顔を出してリング上を覗いていた。
 無難に第一試合で会場を温めた後輩たちを適当に労ってやり、次は第二試合。
 いよいよ神田の登場である。
 向かい合うのは、神田と同じような髪と体格をした、美月が見飽きるぐらいよく知っている顔。
 相羽和希であった。

「おや珍しい。同期の成長が気になるかい?」
「いや、相手の方にちょっと」
 ゴングが鳴ると同時に、後ろから六角に声をかけられた。
 と同時に、リング上では二人が組み合っている。
「神田?鳴り物入りだった割にはパッとしないね」
「でもプロでボクシングやってたんでしょう?それが何で第二試合なんかに」
「あー……その辺は見てればわかるよ。バックグラウンドが活かせてないっていうか、
 まあボクシングをどう活かすかっていうのも難しいけどね」
 言われるままに黙って見ていると、二人は型通りのバックの取り合いからグラウンドに移行し、
 一進一退の攻防を繰り広げていった。
「普通だろう?」
「……普通ですね」
 内容的にはいくらか高度だが、やっていることはさっき第一試合に出ていた若手と大差ない。
「考えてみれば可哀そうな話だよ。いくら格闘技のキャリアがあるからって、
 まだデビュー半年なのにあまり過大な期待をするべきじゃない。
 本人も真面目だから、そんな期待に応えようとしてるみたいだけど、
 このままゆっくり成長させてやった方が本人のためさ」
 六角は溜息混じりにそう言う。
 自身もアマレスの実力者で、かなりの期待を背負ってデビューしたという六角の言葉は、
 同類を憐れむような調子が含まれていた。
 とはいえ、六角の場合は期待に応えるだけの技量と、それに耐えうる図太い神経を備えていたが。
「それよりも、あんたはもっと相羽を気にかけてやるべきだよ。
 あいつこそ未だにこんなとこで燻ってちゃ……」
「それは自業自得です。あの人は現状に真剣な危機感を抱いていないんですよ。神田さんと違って」
 美月はそう言ってのけた。
「相変わらず冷たいねぇ。それはともかく、神田と何かあったのかい?」
「まあ、色々と」
 裏でそんな会話をしている内に、ようやく試合が大きく動き始めた。

「受けてみろっ!!」
 神田の背後を取った相羽が雄叫びを上げ、一息に反り投げる。
 美しいブリッジを描いてスターライトジャーマンが決まった。
「まだッ!」
 が、なんと神田はこれをカウント2でクリア。
 茫然とする相羽の前で、朦朧とする頭を振りながら神田がゆっくりと立ち上がる。
「まだ……まだだッ!」
「ッ……負けないっ!!」
 神田がエルボーを打ちこみ、相羽が打ち返す。
 二人が交互に肘を振るう度に、客席も声を合わせて盛り上がった。
「この、このっ、倒れろっ!!」
 先に手が止まった神田に向け、相羽がエルボーを連発。
 棒立ちになったと見るや、大きく振りかぶって渾身の一発を見舞う。
 が、相羽の右肘は空を切った。
 突然瞳に鋭さを宿した神田は、紙一重のところでほんの少し体をずらして避け、
 それまでのように右手を振りかぶらず、畳んだところから拳を最短距離で伸ばした。
 相羽の右腕が伸びきった瞬間、神田の拳が相羽の顎先をわずかにかすめる。
『おお……!』
 美月と六角、それと客席の全員が思わず呻くほど、完璧なタイミングのカウンター。
 くらった相羽は、糸が切れた人形のように声も立てず前のめりに倒れた。
 10カウントを数える間でもなく完全KO状態の相羽を裏返し、神田は冷静にカバー。
 しかし、思わずマットを叩きかけたレフェリーの手が寸前で止まった。
「え……?」
 神田に対して首を振り、カウント拒否の意思表示。
 普段なんとなく5カウント以内まで許されるものの、厳密に言えばプロレスで顔面パンチはルール違反。
 要するに顔を殴ることとイスで殴りつけることは同じなのだ。
 従って、このレフェリーはカウントを取らなかった。
 ただし完全に目を回して倒れている相羽が起きてくる気配もなかったので、
 結局はゴングを要請して無効試合を宣言した。


「ね?だからボクシングを活かそうってのは難しい……って」
 六角を残して、美月はいつの間にかリングに向かって一人で歩き出していた。
 美月に気付いた観客から起こるどよめきの中でリングに入り、
 寝ぼけたようにふらふらと起き上がりつつあった相羽をリング外に投げ捨てて排除。
 驚いて目を見張る神田の前に立つと、強引にその右手を握りしめた。
「やれやれ、何を企んでいるのやら」
 握っていた神田の右手を挙げ、彼女が勝者だと言わんばかりに誇示して見せる美月を見て、
 六角はそう独りごちた。

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by right-o | 2011-09-24 22:22 | 書き物
 杉浦美月は怒っていた。
 いきなりメキシコから呼び戻されたので何事かと思ったら、特に何もなかった。
 社長はただ、遠征の成果が上がったと見て、美月を呼び返しただけ。
 何か特別な役割を期待するとか、美月に任せたい事柄があるとか、そういうのではなく。
 修行に行ってるんだから当たり前、という考え方もあるが、
 メキシコでのレスラー生活が充実していただけに、美月は納得できなかった。
 帰国した日にそういう事情が分かり、その時は社長に散々文句を言ってやったが、まだ気が治まらない。
 イライラしながら寮の元いた部屋に戻ってくると、
 同室の相羽がいきなり抱きついて来て、またイラっとする。
 それでも翌日からは、早速団体のシリーズに同行しなければならない。

 移動に使う大型バスに乗ろうとして、またまた気にくわないことに遭遇した。
 移動の際、美月は小川ひかるの横が定位置と決まっている。
 「車内で本を読んでも全く酔わない」という共通した特技を持つこの二人は、
 移動ではいつも隣に座り、互いに無言で黙々と本を読んでいるのが常であった。
 そんな小川が、今シリーズは怪我で欠場。
 仕方無く静かそうな場所を目で探していると、
 相羽が自分の隣をばんばん叩いてアピールしていたので無視した。
 後ろから三列目の窓側、今のところ誰もいない一角に座り、外を向いて他が乗りこむのを待つ。
 すると、
「と、隣に座ってもいいですか……?」
 と声をかけられたので、
「はい」
 と、相手を見もせずに答えた。
 わざわざ聞いてくるぐらいなので後輩だろう、と思ったし、何より今はイライラしている。
 幸い、その後美月の周囲には、真帆や上戸等の無神経・無遠慮かつ騒がしい人々が座らなかったので、
 旅の時間をしばし快適に過ごすことができた。

 窓の外を流れる風景を一時間ほど眺めてから、ようやく美月は気分を落ち着けた。
 腐っていても仕方が無い。
 プロレスラーたるもの、自分のポジションは自分で作らなければならない。
 そして最適なポジションは、周囲の状況を踏まえて考えなければいけない。
 ジョーカーから教えられたことであった。
 美月は、昨日相羽や内田から聞かされた、今現在の団体の状況を思い返した。
 まず、全体を巻き込んで関係するほど大きな抗争は無し。
 団体を一人で代表するほどのエースもいなければ、
 ブーイングを一手に引き受けるほどのヒールもいない。
 次にベルトごとに考えていく。
 美月の格からして一番近くにあり、
 かつ当面の目標としていた打倒内田という意味でも狙いたいのが中堅王座なのだが、このベルトは現在、
 タッグを解消して泥沼の抗争に入った内田と上戸の間で行ったり来たりしているらしく、
 割って入る余地が無い。
 また最高位王座については、今現在「世代交代」という重いテーマの元でベルトが争われており、
 これもぽっと出の美月が付け入るスキは無いように思える。
 もう一つジュニア王座という道も無くはないが、既に二度獲得しているし、
 折角の海外遠征帰りなのだから、もっと上を目指したい。
 とすれば、残るベルトは一つ。
 タッグ王座である。
 タッグ戦線は手薄になっている上、現王者が村上姉妹というのも、
 彼女らには申し訳ないが魅力的だった。
 だがしかし、タッグを組むにはもちろんパートナーがいるわけで、
 美月の周囲を見回してみた時、組んでくれそうな人間は一人しかいない。
 言うまでもなく、相羽和希だ。
「はあ……」
 メキシコ行きのずっと前、相羽と組んでジョーカーにタッグで勝った、なんてこともあったが、
 どうも美月から見て相羽は色々な意味で頼りない。
 とは言え、人脈に乏しい美月にはどうしようもなく、
 また一つ長い溜息を吐いてしまったところで、不意に横から声をかけられた。
「あの、杉浦美月先輩、ですよね……?」
 ん、と隣の席を見てみると、知らない顔が緊張した面持ちでこちらを向いている。
 やはり後輩だったようだ。
 それも全く見覚えが無いので、美月がメキシコにいる間に入団してきた人間かも知れない。
 ただ妙なことに、見た感じ美月よりも年齢は上のような気がする。
「ご迷惑でなければ、先輩に相談にのっていただきたいのですが……」
 彼女は、真剣だが遠慮がちな様子で、美月に対してそう切り出してきた。
「あ、ええ、まあその、私でよければ」
 いきなりのことに困惑する美月に、彼女、神田幸子は少しずつ語り始めた。

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by right-o | 2011-09-19 15:04 | 書き物
STRさんが行われるレッスルPBeMに参加します。

既に一回目のリアクションまで出し終わってまして、私のキャラは大体こんなカンジ。

c0130614_97361.jpg

キャラメイクファクトリーさんを利用

身長180cmのパワー型でございます。
……どっかで見たとか言わない。
必殺技はビッグブート。

スピード・テクニック系は美月の方で散々やってきたので、こっちでは力任せに。
ただ今のところ、ちょっと性格とか中身が薄いかなあ。
まあその内何か頭に湧くでしょう。

参加者の募集は今日まで。まだの方は是非!


web拍手お返事 月並みな締め方でもありがとうございます。

>メキシコ編感動の最終回でした! 日本で出迎える相羽の笑顔が眼に浮かびます! そして、もう一人の運命は……CBT揃っての試合を期待します。

えー……っとですね。
相羽の扱いは、多分もっと酷くなります……
ノエルに至ってはまだまだ再登場しません……
というのが、美月はこの先全く別のキャラと組むことになりますので。
多分今日中にはその辺のさわりを上げられるかと思います。


>これよんでてジョーカーさんを動かしたくなりました。(カレーマン)

割と試合でもスキットでも使いやすい方だと思うんですけどね。
といって公式設定を無視してた私は言うのも何ですが。
あとはウォン姉妹なんかも、もうちょっと触れられていい気がする。


さて何か書きますか。

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「いやー、我ながら予想通りのオチだった」
「ま、結局ああなりますよね」
 チョチョカラスとのタイトルマッチを終えた翌日。
 二人は並んで空港の中を歩いていた。
「でも、あれで美月に勝ちを譲られたら逆にどうしようかと思った」
「いくらなんでも、そこまで慎み深くありませんから」
「知ってる。それでこそ、プロレスラー」
 美月はガラガラと旅行カバンを引き摺りながら、
 ジョーカーは両手を組んで頭の後ろに回して、陽気そうに歩いていく。
「それじゃあ、ここで」
 手荷物検査場の前で、美月が振り返って言った。
「ところで、最後に一つ、真面目に聞きたいんですが」
「ん、なに?」
 明るく言ったジョーカーに対し、美月は真剣に尋ねた。
「どうして、こんなに良くしてくれたんですか?」
「好きだから」
 ニヤニヤしながらジョーカーが即答し、
 それを見てはぐらかされたと感じた美月は、ふっとため息を吐いた
「だから、そうじゃなくて……」
「好きだからさ。ファンとして」
 すると不意に柔らかい笑顔をつくって、ジョーカーは美月をそっと抱きしめた。
「自分で言うのも何だけど、私だってそう身体的に恵まれてる方じゃない。
 昔はクサってたりしたもんだよ。しょっちゅうね。
 そんな時、自分よりずっと小さなプロレスラーが必死にやってる試合を見たのさ。
 そしたら、この子がこれだけやってるんだから、自分も頑張らなきゃ、って思った。
 今まで他人を見てそういうふうに考えたこと無かったんだけど、
 その時は本当に素直に、そう思った」
 そう言ってジョーカーは美月を離し、顔を正面からのぞきこんだ。
「それから美月のファンになった。
 本当言うと、前に日本で試合した時も裏で話しかけようかと思ってたんだけど……あ、テレたな」
「て、照れてません!」
 美月は思わず目を背けてしまった。
「まあいいや。とにかく、私は杉浦美月のファンで、いつもどういう試合だろうと応援してるし、
 あなたの成功を心から願っている。それだけ、覚えておいていて欲しい」
「……ああ、はい」
 全くもってどうしていいかわからず、美月はただ小さく頷くばかりであった。
 こういうことは、もちろん日本にいた時も言われたことはなかった。
「それと……できれば」
 今度はジョーカーの方が言いにくそうに続けた。
「私のことも、同じように祈っていて欲しい。
 ……プロレスラーになってから、ここまで他人と親しくなったことはなくて」
「テレた?」
 すかさず美月がやり返し、ジョーカーもバツが悪そうに笑った。
「ま、私はメキシコに来て、憧れ、目標にする人が増えました。
 遠く離れていても、その人が成功するように願う気持ちは変わりません」
「……あ、ありがとう」
 二人は顔を見合わせて笑った。
「それじゃあ、もう行きます。本当にお世話になりました」
「うん、それじゃ、またいつか、どこかで」
 お互いに見えなくなるまで手を振ったあと、二人はそっと目尻をぬぐった。

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by right-o | 2011-09-15 20:29 | 書き物
って聞くと、フィアラルとかスチュパリデスとか思いつきますね。
ええ、ただのアトラス脳です。


そうじゃなくて、新潟やら北海道やら旅行してみた他、色々と浪費が嵩んできました。
しばらくはちょっと大人しく引きこもってようかと思います。
連休も予定なし。

というのが、本気で12月の香港に行きます。
そのための資金を貯めないと。

ただ4月からぐっと残業が減った上に、飲みに行く機会は増えたからなあ……
特に何もしなくても減っていくのもかも知れない。


さて、苫小牧-大洗片道19時間の船旅を生かして、久々にSSを上げることができました。

技は、
ドライブ・バイ=新日本にも来てるMVPの技。シャイニング式前蹴り。
          本来はシャイニングヤクザキックが同形の元祖ですが、こっちの名前が好きなので採用。

ディープインパクト=NOAH金丸義信の技。コーナーから飛びついてのDDT。
             馬とは何の関係も無し。こっちの命名の方が早いし。由来は映画の方か。

ラ・ミスティカ=ミスティコ、現シン・カラ(フニコの方じゃなくて)の技。
          人工衛星ヘッドシザースから脇固めに移行する。
          「神技」と言われることもありますが、見た目そこまでの技じゃない気がする。
          メキシコのトップレスラーだから、という理由でチョチョカラスに使わせてみる。

長い試合は久々ですが、中身はそんなに無かったり。

web拍手お返事 ホントにもう毎回ありがとうございます。

>取り残された相羽に涙と拍手を! 杉浦のメキシコ修行もいよいよ終盤なのでしょうか? もうこれからの先の展開に目が離せません。

このあと最後に一つエピローグを上げて、メキシコ編は終了です。
相羽も本当は美月に合わせてレベルアップさせなきゃいけないんですけど……
全くきっかけが思いつかないという。

ここから先は、怒涛の!とはいきませんが、メキシコより展開は早いはずなので、
これからも読んでいただければ幸いです……
次は多分タッグ編か中堅編ということになります。


年末までに終わる……か?

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「お前は私が勝つのをサポートすればいい。出過ぎたことをするな!」
 ジョーカーがそう言えば、
「知ったことか。私だってベルトが欲しい」
 と相変わらずの無表情で美月が返す。
 二人は事前に、どっちが勝ってベルトを手にするか、などという無粋な打ち合わせはしなかった。
 そして結果こうなることも目に見えていたが、こうでなくては面白くないとも思っていた。
 さらにジョーカーが何か言おうとした時、突然観客のざわめきが大きくなる。
「ハッ」
 言い争う二人を尻目にリング内から跳躍したチョチョカラスは、
 ロープと平行になるほど身体を横にし、更に空中で高速回転しながら二人の上に降ってきた。
 見事なトルニージョで二人まとめて押し潰し、その内ジョーカーの頭を掴んでリングへ。
 まずはジョーカーをコーナーに振り、そのあとを追いかける。
 そしてサードロープを足場に、ジョーカーの肩を蹴って背後に大きく宙返り。
「この……!」
 踏み台にされたジョーカーが怒って前に出ようとしたところへ、
 ねらい済ましたトラースキックで顎を蹴り飛ばした。
「これからだ!」
 それまでの憂さを晴らすべく、チョチョカラスは攻勢に出ようとする。
 再度ジョーカーをコーナーに振り、自分も反対側のコーナーに待機。
 そこから一杯に助走をつけて串刺し式の攻撃に出ようとした……が、足が動かなかった。
「ちっ」
 リング下から美月がチョチョカラスの足を引っ張っていた。
 そして必死に振りほどこうとするチョチョカラスの目前には、
 反対に自分が助走をつけたジョーカーが迫っている。
「くらえッ!」
 飛び掛りつつ両膝を突き出し、それでチョチョカラスの胸板を打つ。
「ぐぅっ……」
 ふらふらとコーナーから出たチョチョカラスの背後を取り、その両肩に手を置いた。
 肩にかけた両手で自分を持ち上げ、跳び箱のようにジャンプ。
 空中で身体を傾けて右膝の内側を相手の後頭部にあてがい、
 そのままギロチンドロップを決めるように落下。
 チョチョカラスの顔面をマットに叩きつけた。
 間髪入れず、体を裏返してカバーへ。
 しかし、カウント1を聞く間もなくジョーカーは引き剥がされた。
「何をする!勝つのは私だ!!」
「知るかっ!」
 とうとう美月は、言葉ではなく右肘で応じ。対するジョーカーも拳で返す。
 つい十数分前までの盟友がリング中央で殴り合いを展開した。
 そして案の上、復活したチョチョカラスが、
 両足を開いたドロップキックで二人まとめて蹴り飛ばしたのだった。

 その後、ジョーカーと美月は、チョチョカラスに対しては微妙な共闘関係を続けるものの、
 隙あらば互いに出し抜こうと常に伺っていくようになる。
 そして徐々にチョチョカラスが支配する時間が長くなるのだが、
 そんな中で、美月に大きなチャンスが訪れる。
「これで終わりだ!」
 乱戦の中、コーナー下に美月を叩きつけ、チョチョカラスがコーナーを上る。
 華麗な飛び技で試合の幕引きかと思われた時、
 場外でダウンしていたジョーカーが、際どくリングに滑り込んできた。
「終わるのはお前だよ。ベルトはもらう……っ!」
 コーナー上で立ち上がりかけていたチョチョカラスに飛び掛ったジョーカーは、
 パンチを連発して怯ませると、自分もリング中央を向いてコーナーに上った。
 チョチョカラスの頭を肩の上に乗せて固定し、リング内に向けてジャンプ。
 雪崩式のダイヤモンドカッターという大技を決めてみせる。
 二人分の体重を乗せた落下がリングを震わせたが、
 チョチョカラスとジョーカーの下敷きになる位置にいた、美月の姿が無い。
 また邪魔をされてはかなわないので、先に美月を黙らせるべく立ち上がったジョーカーの前に、
 美月が待っていた。
「このっ!」
 反射的にジョーカーが振るった右腕に自分の右腕を絡ませ、ジョーカーの背中側に飛びつく。
 そして右足をジョーカーの左腕に引っ掛けた。
(十字固めか、いや……!?)
 過去の美月の試合を見ているジョーカーは覚えていた。
 ノエルの持つジュニア王座に挑戦した時、美月が使った危険な技のことを。
 そのまま相手を倒して十字固めにいかず、逆に相手の側に一旦体重を預けて反動をつける。
 そこから一気に相手の背中側に勢いをつけて引き倒し、後頭部をマットに叩きつける技。
 自分の頭がマットにつく寸前、ジョーカーは衝撃に備えることができた。
「さて……」
 マットに転がるジョーカーを押しのけ、美月は立った。
 対して、チョチョカラスも立ち上がりかけている。
 あれだけの大技をくらって、この短時間で立つというあたり、流石としか言いようがない。
(ただ、いくらなんでも虫の息のはず)
 普通ならとても一対一で勝てる相手ではないが、美月は覚悟を決めた。
 ふらつきながらも、チョチョカラスが振るった右の肘をかいくぐり、背後へ。
 そこから勘でタイミングを計り、振り返り様トラースキックのように右足を振り上げる。
「かはっ……!」
 目論見通り、美月はチョチョカラスの腹部に右の踵をめり込ませた。
 素早く頭を持って両足の間に挟み、パイルドライバーの姿勢。
 チョチョカラスから事前の申し出により、今回のみ危険技も見逃されることになっている。
(勝つ……!!)
 メキシコで得たもう一つの技、前転式のパイルドライバー。
 ここに来て美月が勝利を確信した瞬間、前からジョーカーが踊りかかった。
「甘いっ!」
 チョチョカラスの背中を蹴り、無防備な美月の顔面へシャイニングウィザード。
 額を打ち抜かれた美月は真後ろに倒れて昏倒し、ほんの一瞬だけ早く試合からリタイアした。
「やはり勝つのは、わた……」
 着地し、チョチョカラスと向き合ったと思った次の瞬間、
 ジョーカーはマットへうつ伏せで叩きつけられていた。
 目にもとまらぬ速さでジョーカーへ巻きついたチョチョカラスは、
 人工衛星ヘッドシザースのような回転から神速の脇固め。
 ほとんど反射的にタップしたジョーカーから、
 大逆転とも言える勝利を奪った。

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by right-o | 2011-09-12 19:39 | 書き物
 メインイベントを終えたAACのリング上。
 今夜、チョチョカラス&マスクド・ミスティと向かい合ったジョーカー&美月は、
 レフェリーの死角で相手二人のマスクを同時に剥ぎ取る暴挙に出て、
 そのままジョーカーがチョチョカラスを丸め込んで勝利した。
「もう十分だ」
 差し入れられたタオルを被ったチョチョカラスがマイクを持つ。
「毎回毎回試合を台無しにして……一体何が目的でこんなことをする!?」
「……目的だと?」
 向かい合ったジョーカーもマイクを掴んだ。
 すぐ後ろに黙然と美月が立っている。
「目的は初めから一つッきりだ。
 お前が持ってるそのベルト。私たちの望みはそれだけだ」
「『私たち』……か、ふん」
 ほんの少し間を置いたあと、チョチョカラスはこう言い切った。
「だったら二人同時に相手をしてやる。
 次回、このアリーナで、AACヘビー級王座を懸けたトリプルスレットマッチだ!」
 この一言で、それまでブーイング一色だった会場が大いに沸き、
 同時に美月たちは驚きながらも満足げな表情を浮かべる。
「大した余裕だが、必ず後悔させてやるよ。
 次の試合が終わったあと、そのベルトを巻いているのは、この私だからな」
 ジョーカーが言い捨てたあと、後ろの美月の表情がほんのわずか動いたところで、
 この夜のAACのテレビ放送は終わった。

「まさか、向こうから言い出すとは思いませんでした」
「チョチョカラスもわかってるんだよ。私ら一人一人じゃ力不足だって」
 数分後、パーテーションで仕切られたシャワールームで、
 美月は仕切りの向こうに話しかけた。
「『AACヘビーのベルトに挑戦させてやる』って言ったろう?
 この展開が読めたから誘ったのさ。
 そういうわけで次こそ本番。気合だ気合!」
 仕切りの上からにゅっと伸びてきたジョーカーの拳に、美月は自分の拳を押し当てる。
「次の試合、チョチョカラスは惨めに負けてベルトを失う。
 そして王者として会場を去るのは……」
 「この私」、と二人の声が重なった。
 二人とも、もうこの時点からオチは大体読めている。

 前日美月にかかってきた電話は、日本にいる社長からだった。
 内容はそろそろ帰って来いというもの。
 AACでの美月の活躍が日本に知らされ、それで修行はもう十分と判断したようだ。
 このままAACに定着されては困る、という意図があったかどうかまではわからない。
 良いとも悪いとも言わず「そうですか」と言って電話を切ったあと、
 どう言い出そうか迷っている美月へ、ジョーカーはただ目顔で頷いて見せた。
 そして今日、いつも以上に強引な介入と挑発のあと、
 チョチョカラスに対して二人同時での王座挑戦を認めさせたのだ。
 それから一週間後、美月のメキシコでの最後の勝負が始まった。


『I CAME TO PLAY!!』
 かかったのは本来ジョーカーの入場テーマだったが、
 エントランスゲートからは美月が一人で姿を現した。
 これまで、ほとんどジョーカーと一緒に入場していたので、
 結果として毎回このテーマで入場することになってはいたのだが、
 今回、ジョーカーから入場テーマそのものを譲られたのだった。
 普段通りリングに上がり、ニュートラルコーナーから客席を睥睨すると、
 美月に対して一斉にブーイングが送られる。
(これはこれで、いい眺めだなぁ)
 呑気にそんなことを考える。
 不思議と緊張しなかったし、同時にこれが最後という哀愁も感じなかった。
 ただただ、現在の、AACの登場人物、ヒールの「美月」として立っているだけであった。
『I hear voices in my head, they council me,they understand,they talk to me……』
 続いて全く聞き慣れない、新しいテーマでジョーカーが入場して来た。
 相変わらず、ふてぶてしくて、傲慢で、狡猾で、残酷で、貪欲で、
 そんな様々な悪いイメージを、フェイスペイントを施した顔で表現しながら、堂々と花道を歩いてくる。
 役者が違う、と美月は感じた。
 あるいは自分がどう逆立ちしたって真似できない、目標にすべき存在ではないのかも知れない。
 しかし美月は、ひとまず考えることをやめ、これからやるべきことへ集中し直した。
 ジョーカーが青コーナーに背中を預けると同時に、場内の照明がやや明るさを落とし、
 チョチョカラスがステージに姿を現す。
 ベルトを巻いたままでリング下まで駆け抜け、勢いのまま跳躍。
 トップロープを飛び越えながら背中を丸め、着地と同時に転がって立ち上がる。
 これまた別の意味で真似できそうにない動作である。
 今夜も大歓声で迎えられたチョチョカラスは、ベルトを外しながら赤コーナーを背にし、
 試合開始のゴングを待った。


 どんなにチョチョカラスが強かろうとも、二対一。
 序盤はほとんどの観客にとって、とてもストレス溜まる展開となった。
 が、すぐに転機が訪れる。
 何度目かの連携を狙ったジョーカーと美月からロープへ振られた時、
 チョチョカラスはロープに背中を預けたまま、跳ね返るのを拒んだ。
「往生際の悪いっ!」
 と、突っ込んできたジョーカーを屈ませた上体に乗せて跳ね上げ、
 背後のロープを越えてエプロンに着地させる。
 同時にマットを両足で蹴り、バック宙。
 エプロンに立った直後のジョーカーの顔面に、オーバーヘッドキックが炸裂した。
「っ!?」
 声を出す間もなくジョーカーはリング下へ墜落。
 確かな手応えを感じたチョチョカラスは、リング中央に向き直りつつ立ち上がるべく、
 片膝を立てて顔を起こした。
 膝の上に何かが乗った感触と、目の前一杯にリングシューズの底が広がったのが同時だった。
「はあッ!」
 私を忘れるな、とばかりに、美月がチョチョカラスの膝を踏み台にして、
 もう片方の足で力一杯その顔面を蹴りつけた。
 ジョーカーと冗談半分で練習していた中で使った、シャイニング式の前蹴り。
「かはっ」
 不意を突かれたジョーカーを尻目に、美月は背中を向けてニュートラルコーナーに張り付き、
 両手をトップロープに乗せて自分の身体を引き上げる。
 再度チョチョカラスが立ち上がる瞬間を待って、セカンドロープからジャンプ。
 正面から飛びついて首根っこを小脇に抱え、思い切り背後に倒れる。
 コーナーから飛びついて決める、DDTであった。
 手応えあり。
 メキシコで得たものを全て吐き出すような攻めから、片足を取ってがっちりと片エビ固め。
 が、あとはフォールのカウントを待つだけだったはずの美月は、
 突然足を引っ張ってリング外に引き摺り出された。
「ふぅ、危ないところだった」
「何をする……!」
 勝利を邪魔された美月と、邪魔したジョーカーがリング外で対峙する。
 その光景に、客席からどよめきが起こった。
 この試合、ルール上は決して二対一ではない。
 ただ一人の勝者だけが王者となり、ベルトを巻くことができる。
 それぞれ味方など誰もいない、あくまで一対一対一なのだ。

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by right-o | 2011-09-12 19:17 | 書き物
 とある団体の寮の一室。
「いつまでもイジケてんじゃねーよ」
「まあ別に、どうでもいいんだけど」
「そう落ち込むことないさ」
 美月と相羽とノエルが暮らしていた部屋で、相羽が三人の先輩に囲まれていた。
「もうボクなんて、どうでもいいんですよ……」
「うん、あんたなんか全くもってどうでもいい」
 相羽の呟きを、内田がばっさりと斬って捨てた。
「ちょっと、そういう言い方をするもんじゃないよ」
「そーだそーだ、置いて行かれた相羽の身にもなってやれ!」
 本当に心底どうでもよさそうな内田に対して、六角と上戸がフォローを入れる。
 さっきからずっとこのパターンの会話が繰り広げられていた。
 美月とノエルが、ある日突然海外遠征に行くと言い出したのが半年前。
 行かないでと縋る相羽を蹴り剥がして二人は部屋を出て行った。
 翌日、「ボクも海外遠征に行かせてください!」と直談判した相羽に対し、
 社長は若干目を逸らしながら、「相羽は……普通に成長してくれればいいよ」と一言。
 それ以来、すっかり意気消沈してしまい、
 リング上でもそれ以外でも精彩を欠く相羽であった。
 元からリング上で精彩を放ってなどいなかったが。
 今日はそんな元気の無い後輩を心配して――という建前で――三人の先輩方が相羽を訪ねてきたのであった。
 ただし両手に酒と肴を携えて。
「っていうか、あなた妙に相羽の肩持つじゃない。
 何なの?馬鹿同士で親近感が涌いてるの?馬鹿は馬鹿を呼ぶの?」
「なんだとテメェ!表に出ろ!!」
「はいはい二人とも喧嘩しない。今日は相羽を慰めに来たんだろー?」
 相羽以外の三人ともアルコールが入っている。
 普段以上に口さがない内田と、普段以上に沸点の低いの上戸をたしなめながら、
 面白そうにニヤニヤしている普段通りの六角であった。


「そうそう、そういえば、美月が雑誌に出てたよ。ほら」
 六角はそう言って、低いテーブルの上に散らかったスナック菓子を片付け、
 週刊のプロレス雑誌を開いて置いた。
「あ、生意気にもインタビュー記事だと……ん?」
 紙面を覗き込んだ上戸と内田が、微妙な顔をして固まった。
 そして一瞬遅れてから、何故か肩を震わせて笑い始めた。
「ぷぷっ……何か……何なんだコレ?」
「く、燻ってたって……な、何が?」
 記事そのものは普通のインタビュー記事で、
 単に美月がメキシコでの暮らしとかプロレスについて答えているものだったが、
 表題に、美月の写真と一緒に大きく「燻ってたんですよ、あの頃は」と載っている。
 その一言が、取り澄まして写っている美月と全くイメージが合わず、
 非常にシュールな感じを醸し出している。
「まあ本人にしてみれば意識しなかった一言なんだろうけど、
 書いた人が面白がってタイトルにしちゃったんだろうねえ。
 それはともかく、うまくやってるみたいだよ、美月は」
 先輩たちの間から、相羽もそーっと記事を覗いてみた。
 内容は確かに、メキシコでの充実ぶりを示すものである。
「いいなぁ……」
「だーかーら、お前はいちいち落ち込むなって」
 上戸が相羽の頭を乱暴に揺すった。
「大体、お前海外に行って何するんだよ。何かやりたいことでもあんのか?」
「いや、それは……」
 ぼそっ、と、内田が口を挟む。
「あの子はずっと、今のままじゃダメだって思ってた。
 で、色々やって変わったんだけど、壁に当たってたから、それを何とかするために海外へ行った。
 まあ与えられたチャンスではあるんだけど、成長したいって強い意思があるのよね。誰かと違って」
 相羽が怯んだところへすかさず追い撃ちをかける内田であったが、
(そういう自分は、知らず美月の肩を持ってるじゃないか)
 と、六角は思わなくもない。
「それにしても、海外遠征と言っても色々あるね。何も修行に行くだけじゃない。
 現にノエルなんかは向こうからご指名だったって話だろ」
「え、そうなんですか……?」
 もう一人の同期がそこまで買われていたことを知った相羽は、更に深く落ち込んでいくのであった。
「あの体格であのパワーならね。アメリカでもウケるんじゃないの」
「あとそう、最近だと龍子も行ったっけねぇ。ワンマッチだけどうしても、って言われて」
 龍子はこれまで、ほとんど海外に行った経験が無かったが、
 いつの間にか海外のファンの間で「まだ見ぬジャパニーズ・レジェンド」として幻想が膨らみ、
 それを汲んだある団体から一試合だけ呼ばれたことがある。
 試合は何をやっても異様に沸きかえり、
 終了後は「Please come back!」のチャントが鳴り止まなかったという。
「あと逆に、向こうで有名になって帰ってくるパターンもたまにあるわね」
「真田とか武藤みたいなのか?」
「いや、武藤はどうかねぇ」
 真田は日本でそれほど知られたレスラーではなかったが、
 アメリカのインディー団体で有名になり、そこが潰れたあとでもっと大きな団体に拾われ、
 そこで更に有名になったあと、色々あって自分の意思で日本に戻ってきた。
 武藤は日本でも既に有名だったが、
 アメリカではフェイスペイントをした極悪ヒールレスラーとしてブレイクしたのだった。
 今では武藤の別人格ということになって、ネタに困るとたまにやっている。
「海外だと別キャラ、ってのもたまにあるわね。現に美月も今はヒールらしいし」
「想像できねーな。あとそうだ、ソニックキャットもそのパターンで生まれたのか?」
「……は?」
「いや、この前あいつが『結城みかはリヴァプールの風になったんだお』って」
「それは別キャラとは違うんじゃないかい……」
 という感じで、相羽たちは相羽たちの生活を送っているのだった。


 一方、メキシコ。
「っくし」
「誰かが噂をしてる、だっけ?そろそろこの前のインタビューが雑誌に載ってる頃じゃないかな」
 唐突なくしゃみをした美月を見て、ジョーカーが言った。
「別に噂されるような内容じゃありませんけど……」
 美月が言いかけた時、不意に携帯の着信音が鳴った。
「……海外通話?」
 液晶には、見慣れた日本式の電話番号が並んでいた。

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by right-o | 2011-09-09 19:31 | 書き物