<   2011年 04月 ( 7 )   > この月の画像一覧

美:今週から新コーナーが始まります。
ジ:アレをやらされるのか……


皐月賞

◎ナカヤマナイト
○オルフェーブル
△ダノンミル
△フェイトフルウォー

美:普通なら共同通信杯組なんてガン無視なんですが、東京開催の今回はひょっとして……という。
  あとフローラステークス見て、ステイゴールドがクサいんじゃないの、と。

今週の切り札!

▲サダムパテック

ジ:……すいません普通に強いと思います。
美:一番人気推すとか無いわ……常考。


人生の切り札!

ラトルスネーク→トップカミング→ムクドク→ダイシンオレンジ→ナカヤマナイト

ジ:今週から始まる「WIN5」をやってみる。
美:最高で2億円、「人生が変わる馬券」とか言われています。
  が、この組み合わせでどれぐらいつくかは疑問ですね。

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by right-o | 2011-04-23 21:23 | 競馬
「さ、納得のいく説明をしてもらいましょうか」
 美月の数倍のブーイングを受けながら引き上げてきたジョーカーに、すかさず美月が詰め寄った。
「まあまあ、一息吐かせてくれよ」
 美月が持ってきたタオルと水を受け取りながら、
 ジョーカーはイスをバックステージのモニターの前に運んで腰を下ろし、美月もそれにならう。
「結論としては『ヒールの方がおいしい』ということなんだけど」
 何か言いたそうな美月を手で制して、ジョーカーはしばらく顎に手をあて考えるポーズ。
「順序立てて説明するなら……何て言うのかな、お互いもう、
 ただ頑張ってればいいっていうレベルではないよね?」
「……どういう意味ですか?」
「ポジションを考えなきゃいけない、ってこと」
 また思案顔に戻りながら、ジョーカーは少しずつ言葉を続けた。
「プロレスラーってのは結局、見てくれる人があっての存在だからさ。
 それが声援であれブーイングであれ、観客からリアクションをもらえなきゃ一人前とは言えない。
 そしてリアクションは大きければ大きいほどいい。
 で、大きなリアクションをもらうためには、その時々で自分自身が最適なポジションにいる必要がある。
 ……わかる?」
 ここでジョーカーは言葉を切り、前にあるモニターに目をやった。
「ポジションってのは相対的なものだからさ。
 団体全体だったり、ベルトやら抗争やらと自分との関係を見て決める必要がある。
 今この団体で考慮すべきは、まずアレの存在」
 ジョーカーが顎で示した画面には、長い金髪を優雅に靡かせて躍動する覆面レスラーの姿が映っていた。
「チョチョカラス……でしたっけ?」
「そう、AACの絶対的なエース。ただ、問題なのはアレに対抗できるヒールがいないこと」
 段々と美月にも話の内容がわかってきたが、それでもまだ引っ掛かる点がある。
「……一人でやればいいじゃないですか」
「それが一人じゃできないからさ。
 格でも実力でも人気でも、私だけでアレの向こうを張るのは無理だよ。残念ながらね」
 ジョーカーはあっさりとそう言ってのけた。
「そこで、さ。もう一人極悪なヒールと手を組んで、二人掛かりでやってやろうと思ったわけ」
 リング上で見せる不敵な笑みとは違う、いたずらっぽい笑顔を見せてジョーカーが笑った。
 そして急に、何か言おうとした美月へ身を乗り出してその肩へ手をかけた。
「大体、外国人なんだからヒールの方が目立ちやすいって。
 それと一つ約束する。必ず美月をAACヘビーのベルトに挑戦させてやる」
「は?いや、私は別に」
 急に話が変わって口ごもってしまった美月へ、ここぞとばかりに畳み掛けた。
「プロレスラーであるからには欲しくないとは言わせないし、獲れないとも言わせないぞ。
 どう?いい条件だと思わないか?」
「え、あ、いやそういう問題じゃ……」
 結局、このあとも何やかやとジョーカーに言いくるめられた美月は、
 ヒールとしてやっていくことになるのであった。


「ところでベルトと言えばさあ、美月の団体のヘビーのベルト、あれデザイン変わったのいつだっけ?」
「ヘビーのベルト?」
「あの、何ていうのかな、城壁の上みたいな……デコボコがついてたやつ」
「ああ、アレ……」
 美月の団体では、数年前まで上に凹凸のついている変わったデザインのベルトが、
 最高位王座の証明だった。
「確か祐希子先輩の時にくるくる回るベルトに変わって、それから何代かみんなオリジナルのベルト作って、
 それで落ち着いた時は今の普通の丸いベルトになってましたね」
「あの頃は何かやりたい放題だったなあ」
 特徴的なデザインが気に食わなかったのか、
 祐希子は自分が獲った時にヘビー級のベルトを変えてしまった。
 しかしそれが、真ん中にある団体のロゴがくるくる回転するという謎の仕様だったため、
 そのベルトは祐希子一代で終わる。
 が、その後も武藤めぐみが人の顔を象った紫色のちょっと不気味なベルトを作ってみたり、
 ライラ神威が髑髏マークのあんまりなベルトを作ってみたりしていずれも定着せず、
 結局いつの間にかごく普通の丸い金色のベルトで落ち着いた。
「私は正直、ベルトのデザインだけなら昔のJWIが好きでした」
「三冠な。わかるわかる。私も好きだった」
 JWIのベルトは、市ヶ谷が世界を回って集めた三つの王座を統一したものであり、
 以前はその名残として王者に三本のベルトが渡されていた。
 実は王者によってそれぞれベルトの巻き方が違っていて、
 そのコダワリを発見するのもファンの楽しみだったとか。
「私はいつか、どこかの世界ヘビー級のベルトにスプレーで落書きしてやるのが夢なんだけど」
「あれ最初にやったの鏡さんでしたっけ?」
 俗に言うフリーの三大ヒールがとある団体を制圧した時、
 フレイア鏡が自分で獲ったその団体のベルトに黒いスプレーで文字を書いたことがある。
 当然そこのレスラー達の怒りに火をつける結果になり、その後の抗争は大いに盛り上がった。
「まあ、デザインで言えば私はシンプルなのが好きだね。IWWFとかGWAとか」
 IWWFヘビーのベルトは世界図がその前面に描かれていて、
 金色の中で海にあたる部分の青が印象的である。
 GWAヘビーは最もシンプルなデザインで、中心に赤で「GWA」のロゴが輝いている。
「最近は色々凝ったベルトもあるようですね。鍵穴がついてたりとか」
 激闘龍のベルトには鍵穴がついており、挑戦者にはその証としてベルトの鍵が渡されるのだとか。
「シンプルと言えば、美月は自分の持ってたジュニアのベルトに愛着は?」
「アレは地味過ぎます。大体、全面銀張りだと何が描いてあるかわかりません」 
「金ピカもどうかと思うけどなあ。理沙子ベルトとか」
 十角形というか楕円というか、不思議な形をしているアジアヘビーのベルトは、
 その昔十数回に渡って防衛を繰り返したパンサー理沙子に因んで、
 理沙子ベルトとか理沙子モデルとか言われているらしい。


「自分で振っておいて何だけど、ベルトの形はどうでもいいんだよ。獲ることが大事。
 そういうわけで、二人掛かりであのベルトを獲ってやろうじゃないか」
 画面の中では、試合を終えたチョチョカラスがベルトを巻いて退場していた。
「二人掛かり……?」
 この時のジョーカーの言葉の意味を、美月は数カ月後にようやく理解することになる。

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by right-o | 2011-04-17 11:58 | 書き物
ペルソナ2罪のリメイク版をやっております。

スパロボも気になるっちゃ気になるんですが、私はやっぱり悪魔が優先。


ペルソナといえば、P4がアニメ化だとか。
何か久々にアニメ化というものを喜んだ気がする。
今から本気で楽しみです。


web拍手お返事 いつの間にか一週間以上たってましたすいませんありがとうございます。

>カレーマンさん

何か繰り返しになりますが、そちらこそ新社会人頑張ってください。

市ヶ谷県はさすがに物で不便を感じることはなく、今のところ快適に過ごしています。
大宮以北は若干電車の便が悪い点が難ですが。

とりあえず東京開催の日曜日は多分皆勤すると思いますので、競馬ならいつでも。
その内プロレスもご一緒してみたいです。よろしくお願いします。


さて、この一週間ほど大人しくしていましたが、実は怪我してました。
先週、花見の帰りに自転車で転倒しまして。
大の字からダウン復帰して何気なく顔を撫でたら、何かぬるっとしたんですよ。
目の上がパックリ開いてました。

それからどうやって帰って病院に行ったのか曖昧ですが、とにかくその日の内に何針か縫ったようです。
それはまあ別によかったんですけど、翌日の朝起きたら物凄い青タンができてまして。
ホント試合後のボクサーみたいな顔になってました。

傷口の抜糸は終わりましたが、いまだに青タンは残っています。


さて、そろそろいい加減だらだら美月の続きをやりたいところ。
多分次は今まで一番マニアック。

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by right-o | 2011-04-16 20:42 | その他
美:目玉を失って盛り上がりに欠けるところですが、桜花賞です。
ジ:さてこういう時は……


桜花賞

◎ホエールキャプチャ
○デルマドゥルガー
△ライステラス
△マルセリーナ

ジ:……データ派的にどうなんだコレ?違うんじゃないの?
美:今年は色々あったからデータは通用しない。いやむしろ、
  変則開催のトライアルレースを使って来た奴らは不利!
ジ:そうかねえ……


今週の切り札!

▲ダンスファンタジア

美:あんた全然他人のこと言えないでしょうよ。
ジ:いや、ひょっとするここで覚醒するかも。
美:無い無い。絶対無い。


美:ここでホエールキャプチャが勝って、「やっぱレーヴ強え」っていう再確認の流れかと。
じ:いや、プロレスの勝敗予想じゃないんだから、流れを読んでどうする。

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by right-o | 2011-04-10 09:26 | 競馬
以下、チラシの裏。


4月3日に新たな勤務地である埼玉に来ました。


私が勤めている会社は、北関東~北部九州までの範囲で異動があります。

大抵の場合、新人は最初に地元から遠い勤務地へ飛ばされるそうなのですが、

私の場合学生の時の住所が東京だったため、

人事が「遠くに飛ばしてやるか」と福岡に送ったところ、実は私の実家は福岡だったと、

そういう冗談みたいな理由で最初の勤務地が地元県だったらしいです。


そういう訳で、最初の勤務地には凄い愛着がありました。

大体が実家に近く、かつウチの両親(ともに教師)が会って結婚したところだったりで地縁があり、

年が2倍近く離れた上司とメガテンの話で盛り上がったり、

事務所の副所長の家で飲みながら「魔法少女まどか☆マギカ」見せられたり、

まあとりあえず凄い良い人に恵まれました。


そんな地元を離れて今回は完全アウェー。

一時期赤羽に住んでいたので(?)、埼玉も大宮までは大体わかりますが、大宮以降は全く土地勘無し。

しかも仕事内容はこれまで内向きの事務仕事だったのが対外交渉が主になります。

正直なとこ不安です。


でもま、経理とか総務の年度初めの目が回る忙しさからは解放されて、

今はまだ新しい仕事の見習いの立場なのでホッとしてたりもします。

今の内に色々慣れとかないと。

あと折角関東に来たんだから、もちろん競馬も……と思ったら中山はやってないんですよね。

でも正直、東京開催が増えるのならそれはそれで。

それとプロレスも見に行けるかな。

埼玉と言えば……健介オフィスは二度と行く気にならない(狭い&子供たちが邪魔で見辛い)ので、

蕨か。アイスリボンとかシークレットベースか。


飲みながら書いてるので段々まわってきました。

それじゃ、お疲れさまです。

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by right-o | 2011-04-07 21:41 | その他
レッスルキャラは俺の嫁!

それ結婚式やない、披露宴や!っていうツッコミもありつつ。
すいません4月7日ギリギリになりました。


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by right-o | 2011-04-07 21:11 | その他
 とあるホテルの大広間。
 今宵ここでは、ある夫婦の結婚披露宴が催されていた。
 新郎はとあるプロレス団体の社長、そして新婦は現役の所属レスラーである。
 予定されていた式次第は順調に消化されていき、
 次はいよいよお定まりの“二人の初めての共同作業”という段になった。
 が、司会がその旨を会場に告げようとした時、
「ちょ、ちょっと待つッス!!」
 招待客の一人、真田美幸がおもむろに席から立ちあがった。
 彼女も新婦と同じく、新郎の団体に所属するレスラーである。
「じ、じ、じ、自分も社長と結婚したいッス!!!」
 いきなりの大告白に他のゲストが驚く間もなく、
「ぼ、ボクも!」
「あたしも!」
「私もですわ!」
「わ、わたしも……!」
 会場のそこかしこからぞくぞくと女子レスラーたちが名乗りを上げる。
 それを見て、司会の井上霧子は一つ咳払いをしたあと、声音を変えてこう宣言した。
『えー、ただいまより花嫁の座を懸けた時間無制限一本勝負を行います!
 なお、この試合はエニウェアフォールかつ反則裁定無し。決着は3カウントかギブアップのみ!
 負けた者から脱落していき、最後の一人に残った者が勝者となります!!」』
 いきなりのバトルロイヤル宣言を受けて戦闘態勢になった参加者たちを尻目に、
 何故か、ステージ上の席で困ったように頭を掻く新郎の隣、
 新婦のみは会場には目もくれず、何やら一心不乱の様子でテーブルに向けた顔を動かしている。


 花嫁候補に名乗りを上げたのは、相羽、美月、越後、真田、伊達、鏡、森嶋、小川。
 席から立ち上がると同時に全員が盛装を脱ぎ捨て、
 何故かその下から普段通りの試合着が現れたりしたが、細かいことを気にしてはいけない。
 一般の招待客が円卓に座って見守る状況のまま、
 一部を除いてまずは各自手近な相手へ突進して行った。
「やあああッッ!!」
「……!!」
 走り込んでのエルボーを打ってきた相羽を仁王立ちで受け止め、森嶋はお返しの逆水平。
 とても披露宴に似つかわしくない音を響かせた一発に、相羽は思わず後退。
「っ……負けるかぁっ!!」
 めげずに打ち返していくものの、腕力の差は歴然としている。
 じりじりと後ろに下がっていった相羽は、ついには背後に円卓を背負う形になってしまった。
「ええいっ!!」
 ここで相羽はトーキックを入れて森嶋を屈ませ、強引にブレーンバスターの体勢へ。
 テーブルの上に叩きつけて起死回生を狙ったが、森嶋はびくともしない。
 どころか、逆に森嶋が力を入れると相羽の体が浮き上がった。
「うわわわっ!?」
 慌ててじたばたと抵抗して森嶋をふりほどいた相羽は、
 それでも今度は間髪入れずにその場でジャンプ。
 両足で森嶋の首を挟んでフランケンシュタイナーを敢行したが、やはりびくともしない。
「……ふんっ!」
 森嶋は、自分の前にぶら下がっている相羽を力ずくで持ち上げ、そのままテーブル目掛けて叩きつけた。
 これで、相羽がこの試合最初の脱落者となった。

○森嶋 亜里沙(3分14秒 テーブルへのパワーボム)相羽 和希×

 相羽を軽くあしらってみせた森嶋は、次の相手を物色する。
 と、やや離れた位置で鏡と真田がやり合っていた。
「一気に……!」
 長身を翻して二人へ突進。
 ある意味、この試合に参加している姿が最も意外な一人である。
「うおっ!?」
 越後の振り向きざまをラリアットで薙ぎ倒し、返す刀で鏡へ。
 しかし鏡は冷静に身を屈め、森嶋の右足を抱え込んで一気に体を持ち上げる。
「引っ込んでいなさいッ!」
 鏡のフラップジャックで、森嶋は悲鳴も立てず背後のテーブルへ突っ込んだ。
 が、すぐさまフォールへ行こうとした鏡の肩を真田が掴む。
「お前の相手はあたしだっ!」
「……チッ」
 鏡が再度真田の方を向いたあと、
 森嶋が真っ二つに割ったテーブルの左右から同時に動く影があった。
「「……あっ」」
 ひとまず花嫁候補として手を挙げてすぐ、
 さりげなく席に座りなおして無関係を装っていた美月と小川である。
 同じテーブルの向いに座っていながら互いに気がついてなかった二人は、
 漁夫の利を得ようとして席を立ちかけたところで目が合った。
 ほんの一瞬の沈黙のあと、二人は同時に動く。
 まずは脅威となりそうな者を一人確実に排除するため、同時に森嶋へ覆い被さった。

○杉浦 美月
○小川 ひかる(5分3秒 体固め)森嶋 亜里沙×

 ちなみにフォールは井上霧子が会場を駆け回りつつカウントしている。
 3カウントが入ったあと、美月と小川は顔を見合わせ、どちらからともなく右手を差し出した。
 残り二人となるまで、とりあえずは手を組もう――という協定が結ばれる寸前、
「「卑怯者は花嫁にふさわしく無い(ッス/ですわ)!!」」
 真田が右足を、鏡がその場にあったイスを振り上げた。
 斬馬迅が小川の、折り畳みでも何でもないレセプションチェアの足が美月の、
 それぞれ後頭部をクリーンヒットした。

○真田 美幸(5分24秒 斬馬迅)小川 ひかる×
○フレイア鏡(5分24秒 イス攻撃)杉浦 美月×

 
 一方、会場の別の場所では伊達と越後が一歩も引かない打撃戦を繰り広げている。
 周囲が完全に引いてしまうほどの打ち合いはなかなか決着がつきそうにない。
 埒があかないと感じた伊達は、わざと後退することで背後にテーブルを背負い、
 ガードを下げてハイキックを誘う。
「はぁッ!」
 これに乗って来た越後の右足を掻い潜り、
 空振りしたことで半身からやや背後を向いた越後の腰を両手でホールド。
「私だって負けられない……!!」
 一気に越後を引き抜いて急角度のバックドロップ。
 テーブルへ逆さに突き刺さるかと思われたが、越後はまだ終わらなかった。
「くそっ!!」
 咄嗟にテーブルの上にあったビール瓶を掴むと、投げられながらも伊達の頭へ一撃。
 これで完全にKOされた伊達と、
 結局テーブルの上へ叩きつけられた越後は隣り合って仰向けに倒れ、
 それぞれ互いの腕が互いの上に乗っていた。

×伊達 遥(6分00秒 同時フォール)越後 しのぶ×


「どうやら向こうは勝手にカタがついたようですわね……!」
「あとは一対一、絶対負けないッス!!」
 いつの間にかラスト二人になっていた鏡と真田は会場中を舞台にやりあった挙句、
 最終的には新郎新婦のいるステージの上へもつれ込んだ。
 例の“二人の初めての共同作業”用の大きなケーキを前にして殴り合う二人を、
 会場中が冷や冷やしながら見守る。
 何しろ既にテーブルが3つダメになっているのだった。
 そんな形式上どうやっても荒れるはずの試合の決着は、意外にも関節技であった。
「終わりですわ!」
 真田の両足を掬って倒し、前に出した自分の右足に絡めつつステップオーバー。
 鏡必殺のサソリ固めが決まった。
 が、しかし何しろ相手は真田なので、容易にギブアップしようとしない。
「く、く……根性ォォォォォ!!」
 完全に極められていても、あるはずの無いロープブレイクを目指す真田。
 いい加減うんざりしてきた鏡だったが、
 目の前に置かれていたある物体を見た途端、自然と邪悪な笑みが浮かんでくる。
「ふふふ、これならどうかしら!?」
 サソリ固めを極めながら自由な上体で鏡が振り上げた物を見て、会場中が「まさか」と思った。
 そしてそのまさかであった。
 新郎新婦によるキャンドルサービス用の長い蝋燭を手にした鏡は、
 すかさず傍にあったチャッカマンで火を点け、容赦無く真田の背中の上へかざす。
「!?……熱ッ!!」
 流石の真田でも声を上げずにはいられないほど熱い液体が背中に落ちた。
「ちょ、シャレにならないッスよ!!」
 と言っても反則裁定無しなのでどうにもならない。
 それでも暫く耐えたあと、真田は無念のタップアウトとなった。

○フレイア鏡(12分54秒 サソリ固めwith蝋燭)真田美幸×


「ふ、フフフフ……私の勝ちですわ!」
 鏡が勝利の余韻に浸っている時、
「ぷはー」
 もう食べられないぞ、と、目の前のテーブル上一杯に置かれていた料理を食べ終えた新婦が、
 ようやく顔を上げた。
 ふー、と一息吐き、辺りを見回す。
 ちょうど鏡が新婦の方を向いたところであった。
「さあ、その席をおどきなさい。でなければ他のと同じく、実力で……」
「ケーキだぁー!!!!」
 新婦の視線は鏡の背後にそびえ立つウエディングケーキに向けられていた。
 甘いものは別腹、ということだろうか。
 さっきまで満腹だったはずのお腹に隙間をつくり、脇目もふらず巨大ケーキへ飛び掛かる。
 もちろん、その間に立っている鏡の存在はそもそも視界に入ってすらなかった。

○フォクシー真帆(13分30秒 スピアー)フレイア鏡×


 全てが終わったあと、花嫁の歯型がついたウエディングケーキへは、
 無事新郎新婦の手でナイフが入れられ、一件落着となった。
 結局のところ、数多の熱意ある花嫁候補より、
 どう見ても食べ物で釣られたようにしか見えない真帆が、新婦の座を防衛したのであった。

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by right-o | 2011-04-07 21:08 | 書き物