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滅茶苦茶早く過ぎ去った割に、思わずそうこぼしてしまうような一年でした。


4月から就職して働き始めた後はもう、どうにかこうにか一日か一週間をやり過ごしてきた感じです。
お陰ですっかり更新頻度も落ちてしまいました。

ブログのネタ的には、ハードコアタイトルやら最近のだらだらCBTやら、
ある程度反応をいただけるものはあったんですが……
来年はもっと頑張ります、とも言えない状況ですね。


思い返せば後悔の方がだいぶ多い気がする一年でした。
来年はもうちょっとうまくやれますように。


web拍手お返事 最後にありがとうございます

>年内にこのシリーズの新作が見れるとは思ってもいませんでした。とても嬉しいです。真帆とRIKKAの身体能力……凄すぎです。これはキャンプ場ではなくとも勝ち目はないかもしれませんね。(笑)

一応、真帆までは実在する技ですからね(笑
RIKKAはもう色々とありえませんけど。

思いついた動きをつらつらーっと並べるだけなので、この方式でよければ暫くは無理なく続けられると思います。
明日か明後日にも多分追加しますし。



特に書くことも無いので最後に一つ思いつき。
自分で選ぶウチのベストバウトとMVPを……

まずベストバウト。
「ハードコアタイトルマッチ」 柳生美冬VS????
コレしかないです。
これは他の誰もやらないだろうと。色んな意味で。

で、MVPは美月。
何しろ今年の半分近くは美月を書いていたような気がするので。
競馬からだらだら技談義まで、幅広く使わせていただきました。
特に好きなキャラではないけれど、本当に使い勝手がいいです。


さてあと一時間。
みなさん良いお年をお迎えください。

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大晦日の格闘技に関心が薄くなってからというもの、
テレ朝でやってる大間のマグロ漁師の話ぐらいしか年末を感じる番組がありません。
あと東方M-1。

そういえば、スペシャル大河はあと一年待たないと続きが見られないんですね。
待ち遠しい……
でもまあ、その間に幕末ものを挟むのはいいんじゃないでしょうか。
個人的には龍馬ものより、司馬作品の「花神」をやって欲しかったところですが。


web拍手お返事 試合の方にもありがとうございます

>天然パワーに工夫を重ねたノエルの勝利。それでも試合を重ねれば、相羽も良い勝負もしくは勝つようになる……のか?

この話がどこまで続くかですが、その内そういう展開になるかも知れません。
美月→ノエル→相羽→美月、という3すくみの関係を考えたりもしましたけど、
今のところ素質だけでノエルが他を圧倒している設定です。


>来島、楠木、祐希子でハズレ。ダーメーだー。 Jカップ面白かったですけれど、年長の知り合いなんかは、「他団体の力を借りなきゃ話題を作れない」今の新日を嘆いていたりもしました。(カレーマン)

祐希子はともかく、来島と楠木はかなりこじつけなので分かりづらいと思います。
「技名を最後まで言えてない」というのがヒントですから。

私は見始めて以来今の新日が一番面白いと思います。
何しろ良かった頃の新日を知らないもので。
そういう時代もあったんですねえ。



アメプロだと必ずしもそうは思わないんですが、
日本に関しては見始めて以降、「前の方が良かった」と思ったことがほとんどありません。
プロと素人の区別が無くなろうが、団体が乱立しようが、試合が大技乱発だろうが、
それはそれで面白いじゃないですか。


いつの間にか有馬記念までスルーしてしまいました。
ちなみにマイネルキッツからだったので予想を晒さなくて逆に良かったか。

さて東京大賞典はサクセスブロッケンがヴァーミリアンに競り勝ったそうですが……
これは何だか別のことも暗示しているような気が。
来年のリーディングはどうなるのかな。


下はまたしても手抜き技SS。
当たり前ですが無影蹴だけは元ネタ無しです。

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 いつも通りの寮の一室、コタツの上。
「やっぱり、基本が大事だよね!」
 眠っているノエルと眠たそうな美月を完全に無視して、今日も元気な相羽が大声を上げた。
 ノエルに負けたことで、もう一度初心に返ってやり直そうという話らしい。
「はあ」
 珍しくコタツの中で微睡んでいた美月が不機嫌そうに流しても、相羽は全く意に介したりしない。
「プロレスラーの基本といえば、ドロップキック!」
(そうかなあ)
 なんだか腑に落ちない部分を感じつつも、美月は諦めて話に乗ってやることにした。


「と言っても、和希さんドロップキックだけは綺麗じゃないですか」
「うん、よく言われるよ。“だけ”ってところも含めて……」
 実際、相羽のドロップキックは定評があった。
 ロープへ振った相手にカウンターで決めるシンプルな形ながら、非常に打点が高く、相手の胸板ではなく必ず顔面に決める。
 若手らしい思い切りの良さが現れた、現在の相羽を象徴するような攻撃である。
「他には……って、いちいち上げてたらキリがありませんから、分けて考えましょう。
 まずは和希さんのような“その場飛び”の形」
「例えば祐希子さんのとか?」
「そうそう、いわゆる『ドロップサルト』」
 祐希子がたまに見せるドロップキックはかなり特殊で、両足を横に揃えて相手を蹴ったあと、
 空中で仰向けになった姿勢から後方に宙返りして体の前面からマットに落ちる。
 ちょうどドロップキックしながらムーンサルトするような形だ。
「うまく説明できませんが、個人的にはジョーカーレディが好きですね」
「あ、なんとなくわかるかな」
 両足が揃わず形は決して綺麗とは言えないながら、ここぞという場面で素早く繰り出すのがジョーカーレディ。
 メキシコでの経験からくるものか、その粗さが逆に魅力的でもある。
「他には……と、ここで何故か内田さんが思い浮かんだんですが」
「ボクは上戸さんが……。うう、思い出すだけでお腹イタイ……」
 本人達は特に意識していないのだろうが、ジューシーペアは二人ともドロップキックを有効な繋ぎ技として使っている。
 まずタッグマッチで上戸が相手をキャメルクラッチに捕らえたところへ、その動けない相手の顔面目掛け、
 内田が助走付きの正面飛びドロップキックで飛んでくる連携。
 単純な動きながら、ロープ間を何度も往復するなどして観客を引きつける技術は内田ならではのもの。
 無防備な相手の顔面を蹴りにいく内田は非常に楽しそうである。
 一方上戸のドロップキックは、助走をつけて相手のどてっ腹を両足で蹴るというもの。
 しかし、あの体格に勢いを乗せて繰り出される一発の威力は尋常ではなく、
 相羽はリング中央から一気にコーナーポストまで吹き飛ばされた経験があった。
「そういえば、美月ちゃんも使ってなかったっけ?」
「低空ドロップキックなら。まだまだモノにしたとは言えませんが」
 相手の膝を狙っての低空ドロップキックは、美月たち軽量級が大型選手を相手にする際の定番だ。
 また、真鍋などは倒れている相手の顔面へ滑り込むようにして放つこともある。
「さて次はコーナーから飛ぶタイプ、いわゆる『ミサイルキック』です。これも各人それぞれに味がありますね」
「意外なところだと六角先輩が得意なんだよね」
 ベースのスタイルに似合わず、六角がたまに見せるミサイルキックは全身を真っ直ぐに伸ばして華麗に決まる。
 一説によればこの技は、六角がスター候補だった時代の名残だという。
「いや、意外と言えばみぎりさんですよ。まさかあの身長で飛ぶだなんて……」
「あれは絶対に食らいたくないよね……」
 みぎりがコーナーから飛んだ光景には、その場にいた全員が目を見張って呆気に取られた。
 それでも当の本人にとっては何でも無いことのようで、
 正面飛びで両足を揃えた形のミサイルキックを軽々と決めて見せたのだった。
「あとビックリしたのはディアナちゃんかなあ」
「う~ん、私たちとは体のバネが違うんでしょうね」
 ディアナのドロップキックはとにかく滞空時間の長さが群を抜いている。
 真上に高々と飛び上がり、縮めた体を落下の勢いに乗せて精一杯伸ばす様子は、
 遠目にも躍動感が伝わって非常に人気が高い。
「バネと言えば真帆先輩のアレも凄いよね」
「『コーナー・トゥ・コーナー』というやつですね。あの人はもう何でもアリじゃないでしょうか」
 真帆の場合はディアナと違ってその飛距離に優れる。
 圧巻なのは、コーナー下に座り込んだ相手へ隣のコーナーから飛んでのドロップキック。
 コーナー間を丸々射程に収めたのは真帆が最初であった。
 後に小早川もアレンジした形でのコーナー間飛行を成し遂げ、
 真帆とのタッグでは左右の隣接するコーナーから中心の標的へ同時に飛んだこともある。
「最後はスワンダイブ式ですか。これは流石にそれほど使う人が多くありません」
「真田先輩ぐらい?」
 やや意外だが、真田はこの技を綺麗に使いこなしていたりする。
 後頭部を狙ったエグイ一発は、確実に試合の流れを変えてしまう。
「あと、さっきも出た内田さんなんかはスワンダイブ式でも膝を狙ってきたりします。
 とはいえ、何と言ってもこの技はRIKKAさんでしょう」
「無影蹴だね。あの技だけは他の人がいくら頑張っても真似できない気がする」
 RIIKKAの場合、スワンダイブ式というより三角飛び式と言う方がずっと正確だろう。
 リング内から勢いをつけてトップロープに飛びつくと、マットと水平になるような角度でロープの反動を両足に受け、
 そのまま反転して強烈なミサイルキックを放つのだが、これを避けられた時には反対側のロープで反動をつけて、
 一度目と同じ動きでまた飛んでくるのである。
 ここまで来ると、身体能力とか平衡感覚とか、そういう些末な問題では無いような気がしてくる。
「それと最後に一つ、どこにも分類できないドロップキックがありました」
「あ、この前鳴瀬さんがやってたやつ?」
「そうです。ドロップキック・スイシーダとでも言うんですかね」
 鳴瀬が最近編み出した動きは、トップロープを飛び越えて場外の相手へのドロップキック。
 着地が非常に難しく、使用する方の危険度はかなり高い。
 それでも平然と飛んでしまうあたり、鳴瀬のバックグラウンドが現れているのかも知れない。


「……とまあ、大体こんな感じですか」
「う~ん……」
「自分で言ってたように、初心を大事にすればいいんですよ。他人の真似なんてしなくても」
 相羽にはそう言いつつも、内心は美月の方も考えることが多かった。
(飛び技も考える必要があるのかな)
 苦手分野ではあったが、相羽以上に体格に恵まれない美月としては、
 それを補うに果たして技術だけで足りるかどうか、不安になることもあるのだった。

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by right-o | 2009-12-30 22:06 | 書き物
Jカップに出ている男色先生のコメントがいちいち秀逸な件。

そりゃあ、日本一のジュニアを決める戦いだからね。


web拍手お返事 反応ありがとうございます。

>CBT好きですし、この「だらだら感」が個人的には大好きです。サバをやっていてもプロレスには詳しくないものですから、リングインやラリアット一つとっても様々なパターンが紹介されるのは勉強になります。ノエルのラリアットはどんな感じになるんでしょうね。

ありがとうございます。
そう言っていただければ何よりです。

この形式は試合を書くより本当に楽なので、今後多用するかも知れません。
それにしても美月は相変わらず使い勝手が抜群です。


>アメリカでは「ラリアット」といわず「クローズライン」言いますね。今や懐かしの「クローズライン・フロム・ヘル」とかあったな

一応、今回のローズがそれ。
後期JBLの金持ちキャラからの連想でしたが、正直無理矢理でした。

アメリカだと本当に首に引っ掛けるような使い方が多い気がします。
タッグ戦で相手を蹴散らす時なんか。


>相羽、ラリアット系は腕が細いと似合わな(ry

ラリアットに拘った結果がこれだよ!という下のSS。
相羽はエルボーが似合う気がします。


>鏡さん、八島さん、十六夜さんあたりはとてもとてもイメージしやすい。あと小縞とモーガン。バリエーション豊富だなぁ・・・。 現役でラリアートをフィニッシュにしてる選手の中で、ナイジェル・マッギネスのラリアートを見たことないので、ちょっと気になってます。(カレーマン)

あの内容で鏡さんが伝わってるあたりは流石。
といってもあの使い方は正直エキプロのイメージが強いんですけどね。

ジョーブレイカーラリアット?ですか。
私も見たこと無いです。
ROHのDVDでも買おうかな。


>これまた良エントリ>ラリアット

ありがとうございます。
まあリングインよりは伝わりやすかったんじゃないでしょうか。
好評いただけるなら続けていこうと思います。


>来島→健介、龍子→小橋、楠木→大森、ライラ→森嶋?、鏡→ノートン?、八島→テイカー、十六夜→?、真田→丸藤?、祐希子→三沢?、小縞→小島、モーガン→ホーガン、ローズ→? てとこかなぁ。全然分からんわw ローズの当て方は特殊っぽいからTNAの誰かな気がする。

カレーマンさんと合わせて全問正解といった感じですか。
訂正箇所は、
ライラ→ストーンコールド
鏡→HHH
十六夜→ケイン
真田→高木三四郎(クローズライン・フロムヘブン)
ローズ→JBL(クローズライン・フロムヘル)

来島さんが伝わってたのが個人的に嬉しかったり。
そしてやはり真田が一番マイナーだったようです。


ちなみに下のノエルラリアットは高岩竜一がモデル。
打ち方とかじゃなくて、使い方が。

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 若手だけで争われるトーナメントの決勝戦。
 リング上で相対する二人の友人を見つめる美月の頭へ、突然重さが加わった。
「よ。どっちが勝つと思う?」
「……ノエルさんです」
 人の頭に肘をつきながら話しかけてきた六角葉月へ、美月は即答する。
「お前、友達なら少しは迷ってやれよ……。
 というかノエルはよく知らんけど、相羽は結構頑張ってるぞ?」
「ノエルさんの勝ちで間違いありません」
 ふーん、と、美月の上で頬杖をついた六角が、ニヤリと笑った。
「じゃあ、賭けるかい?今夜の飲み代」
「後輩に酒代をたかる気ですか?」
 とは、美月は言わなかった。
「いいですよ」
 それだけ頭上に向かって呟くと、ただ黙ってリングの上だけを見つめていた。


「いっくよぉッ!」
 まずは相羽の逆水平から試合の幕が上がった。
 腰を切って全身を使った綺麗な一発を胸板に受け、ノエルも同じ技でやり返す。
「うっ!?」
 お手本のような相羽の逆水平に対し、ノエルの方はただ腕を横に振っただけ。
 それでいて、体の芯に響くような重みが備わっている。
 地力の違いであった。
「負けないッ!」
 重ねて逆水平にいった相羽へ、さらにノエルが返す。
 しばらくは新人らしい意地の張り合いが続くかと思われたが、
「ぶッ!?」
 三度目の逆水平に対し、ノエルは躊躇無くラリアットを打ち返した。
 これを全く予想していなかった相羽は、たまらずひっくり返って後頭部を強打。
 試合開始から二分と経たずに後頭部を押さえて悶絶する。
「うわあ……」
 あまりと言えばあんまりな攻撃に、六角は思わず声を漏らした。
 そのすぐ下にある頭から「だから言ったでしょう」とでも言いたげな気配が伝わってきている。

 同期でありながら、ノエルと相羽は初対決であった。
 美月とは勝ったり負けたりを繰り返していながらノエルと当たる機会が無かったのは、
 元々相羽たちとノエルでは団体からの扱いが違ったことによる。
 要するに、ノエルの方が期待されていたのだ。
 これまでのところ、その団体側の見立て通りの試合展開が続いていた。
「よいしょ」
 痛めつけた相羽を両肩の上へ仰向けに担ぎ、ノエルは小さく気合をかける。
 両腕を一杯に伸ばして相羽を真上へ放り投げると同時に、自分は素早くマットへ転がり、膝を立てた。
「ぐぅっ……!」
 お腹からノエルの膝の上へ落下させられた相羽は、飛び技をいわゆる「剣山」で返されたのと同じ状況になる。
 ノエルが自分で考え出したオリジナルホールドであった。
「うわあぁぁッ!!」
 しかし、相羽の反撃はここから。
 誰もが終わったと思った状況をカウント2.9ではね除けると、拳を握って立ち上がる。
 すぐに放たれたノエルのラリアットを仁王立ちで、受け止めると、頭を振ってさらに気合を高めた。
「カズキ……しつこい……」
 ちょっとだけ眉間に皺を寄せたノエルがロープへ走り、今度は勢いをつけたラリアット。
 が、相羽はこれをかいくぐってバックを取った。
「このッ!!」
 重心を落として溜めを作ることなく、予備動作無しで引っこ抜く。
「このぉぉぉぉッ!!!」
 スターライトジャーマンが綺麗な半円を描いたが、相羽はフォールの姿勢からマットを蹴り、
 ノエルの腰を捕まえたままで逆立ちするようにして立ち上がった。
 そのまま、下で潰れているノエルをもう一度引っこ抜く。
 両肩をついた状態からスローモーションのように持ち上がったノエルが、もう一度半円を描いて両肩をついた。
 相羽が思いつきでやってみた、スターライトジャーマンによる連携。
「……うっ」
 声にならない声を上げながら、ノエルがギリギリで肩を上げる。
 会場中の誰もが安堵か無念の溜息を吐いたあと、その全員が両足で地面を踏みならした。
「いっっくぞぉぉっ!!!」
 今こそ勝負所と見た相羽が、全身に気合を漲らせてノエルが立ち上がるのを待つ。
 立ち上がりきったところで、今度は相羽がロープへ飛んでのラリアット。
 倒れないノエルへ、さらにその背後のロープを使って後頭部へもう一発。
 こうして棒立ちにしておいて最後に正面からのラリアットでトドメ――
 を狙おうとした時、完璧なタイミングで振り回されたノエルの右腕が相羽の喉元を直撃。
 自分が走り込んだ勢いと合わさって、その場で見事に一回転した。
「今度こそ、終わり……!」
 引き起こした相羽を軽々と右肩の上へうつ伏せに抱えたノエルが、不気味に宣言する。
 しかし、相羽はまた死んではいなかった。
(耐えてみせる……ッ!)
 恐らく真下に叩きつけるつもりだろうが、ノエルの背丈なら大した落差は無い。
 天井を見ながらそう考えて受身に備えていた相羽は、いつの間にかマットに膝を抱えて転がるノエルを見ていた。
 何が何だか分からない内に膝頭が腹部に食い込み、息が詰まる。
 ノエルは、肩の上に乗せた相羽をひっくり返しながら投げ上げて、再度必殺技を決めたのであった。
 ラリアットと共に、自分に高さが無いことを自覚した上で選んだ決め技だった。


「ちぇっ」
 ようやく美月の頭から肘をどかせた六角が、口を尖らせてそっぽを向いた。
「先輩ごちそうさまです。三人分ですよ」
「はいはい、わかってるよ」
 それ以上何も言わずに控え室へ帰って行く可愛げの無い後輩の後ろ姿を、六角は興味深く見つめる。
(コイツも悔しかったりするのかねえ)
 同期に水をあけられた形の美月がどういう反応をするか、六角はなんとなく楽しみであった。

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by right-o | 2009-12-23 10:25 | 書き物
「リングイン」に続く、CBT(というか美月と相羽)がだらだら語る形式の技SS。
書いてる方は楽ができていいのですが、伝わっているかどうかはわかりません。

全部元ネタ有りなので、暇な方は当ててみてください。
真田とローズが分かりづらいと思います。


さて競馬予想は別に上げるとして、最近驚かされるのがアメプロの話題。

シーマスがシナに勝って王者になってるとは……
う~ん、逆にこれからどうするんだ?
もうちょっとICとかUSAとか争ってても良かったと思うけど。

あとはブレット・ハートがWWEに上がるかも、という流れ。
本当に実現するのか?

それと来年1月4日はTNA対WWEがそれぞれIMPACTとRAWで番組が重なり、
マンデーナイトウォーが再現されるのだとか。
TNAにはホーガンが出るとかで、ひょっとしたら良い勝負ができるのかも。


web拍手お返事 ほぼ週一更新になりつつありますが、ありがとうございます。

>こういう痛そうなのは苦手ですけど、それを立派にやりとげる二人のプロに拍手です。

実際、プロ意識とかに落としどころを求めるしかないんですよね。
ただグロいことやらせてるだけ、というわけにも行かないので。
やっぱりデスマッチ系はほどほどにしておきます。


>なんてデスマッチが似合う二人でしょうか・・・。葛西vs伊東はダイジェストで見ました。デスマッチにあまり耐性がないですけれど、いやいや、鳥肌立ちました。
>←(カレーマン)

あの「キチガイ」度が再現できるのはライラぐらいです。流石。

葛西対伊藤は現地で見たかったですね。
あれだけ大勢で放送禁止用語が叫べるのは大日本だけ。
年末の宮本対佐々木も凄かったので、来年もまだまだ凄いデスマッチが期待できそうです。


>二人並んで治療を受けつつ「タオルは1000円、Tシャツは3000円ですよ。購入されたらサインタダで…」営業

なんというインディーズの風景。

でもそれぐらいの団体が、何ヶ月かに1回後楽園で打つ興行が一番好きです。


さて朝日杯はどうしようかな。

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 とある団体の寮の一室。
 新人の間で争われるトーナメントの決勝戦を数日後に控えたこの日、 
 美月と相羽とノエルの3人が、同じコタツに入っていた。
 当日にトーナメントの優勝を争う相手の寝顔を神妙に見つめる相羽の傍で、
 既に敗退している美月が黙々とテレビゲームに興じている。
 
「ねえ美月ちゃん」
「……はい」
「ラリアットって私に似合うかな?」
「は?」
 自団体が題材のテレビゲームをプレイしていた美月が、一旦ポーズをかけて首を傾げた。
「んー……どうでしょうね」
 美月たち3人の中では文字通り“頭一つ抜けている”相羽だが、あまり力強い印象は無い。
「まあ、無理して使うことはないと思いますよ。他に使ってる人が大勢いますし」
「いや~、でもプロレスラーになったからにはラリアット打ちたいよ。
 こう、勝負所で『前!→後ろ!→前!!』みたいな」
「……そういうものですか」
 散々使い古されたジャーマンスープレックスなんかを必殺技に選ぶ人間の考えることはわからない。
 そう思いながら、美月はコントローラーを操作してタイトル画面に戻った。

「一口にラリアットと言っても、実は使う人間と用途によって全く別の技になります」
「うんうん、使い手のコダワリだよね」
 2人が並んで見つめるテレビ画面の中で、相羽らしきキャラクターがリングに立っている。
 美月がゲーム中のレスラーエディットモードで適当に作成したものだった。
 まだまだ相羽や美月はデフォルトキャラクターとして登録されていないため、自分たちで作るしかないのだ。
 あとは登録されている技を選択するだけで、画面上の相羽がその動きを再現してくれる。
「まずは……と、これから試してみますか。ナパームラリアット」
「来島さんの代名詞だね」
 一時期は乱発し過ぎるほど多用していた来島の切り札は、ただ力任せに腕を振っているだけに見える。
 ただその力が尋常ではないため、相手によっては一回転させてしまうほどの威力があった。
 また、パワー型としてそこまで大柄ではない来島は、より大きな相手を薙ぎ倒すため、
 ややアッパー気味に相手の顎をかち上げるように打つこともある。
「次、龍子さん」
「魂のラリアットだねえ」
 龍子のラリアットで有名なのは、走り込まずにその場で振り回す一発。
 右拳を握り締めながら左手で相手の頭を掴んで引き摺り起こし、その首を刈り取るようにして放たれる。
「あと日本人で決め技にしてるのは……楠木さんぐらいですか」
「ユーリスターハンマーだね」
 長身から相手の顔面を削ぎ飛ばすように振り下ろす剛腕は説得力十分ながら、
 なかなか当たらないのが楠木のラリアット。
 ちなみに繰り出す際は技名を叫んでいるが、「ユーリスターハンッ……」ぐらいまでしか言えてないことが多い。
「その他、単に繋ぎ技として使うレスラーは数えきれません」
「あー、印象に残ってるのは……ライラさんとか」
 突進しながらほとんど殴りかかるような横軌道で飛んでくるのがライラのラリアット。
 これで引き倒された相手には、漏れなくボロボロになるまで容赦の無いストンピングが降ってくる。
「意外なところで鏡さんも使います」
「あの人結構腕力あるよね……」
 鏡は相手の腕を捻った上で、その腕を取ってこちらへ引き寄せたところにカウンター気味で放っていく。
「それと八島さんのも独特」
「いきなり飛んでくるやつだね」
 八島の場合、通常は腕を振りながら両膝をつくように体重をかけて相手を引き倒す。
 それと希に使うのが、ロープへ振られて跳ね返ってくる際に飛び上がって放つフライングラリアット。
 あの体格がふわりと浮いて落ちてくる様子は、対戦相手にとって大変な恐怖である。
「飛ぶと言えば十六夜さんはコーナーから飛んで打ってきます。それと似たようなのを最近真田さんが使ってましたっけ」
「ダイビングラリアットかあ」
 十六夜はコーナーからジャンプしてリング内の相手へ振り下ろす。
 まさに「災厄降臨」と言いたくなるような光景だが、当てたあとに転がりながら着地する様子が意外に器用でもある。
 また最近真田が開発した新技は、上体だけをおこしたハーフダウンの相手へダイビングラリアットを決めるもの。
 落差が技の説得力を増しているが、相手の状況をセットするのが難しい。
 それともう一人特殊な当て方をするのが祐希子で、相手に飛びつくようにして腕を当てたあと、
 きりもみ式に自分の体を一回転させて着地して見せる。
「あ、小縞さんを忘れてました」
「あれはカッコイイよね~」
 小縞はラリアットへ行く前に左肘のサポーターを投げて予告する。
 これが見た目に反して意外な威力があり、何度か格上を沈めたこともあった。
「……とまあ、日本人に関してはこんな感じでしょうか」
「う~ん、迷うよね」
 画面中の相羽を見る限り、どれも今ひとつ似合っていなかったような気が美月にはする。
「外国人の方も見てみましょうか」
「やっぱりポセイドンボンバーかなあ」
 右腕を直角に曲げてのラリアットがクリス・モーガンのポセイドンボンバー。
 この技で幾多の日本人レスラーがマットに沈んだ。
「でもこの技、何故かアメリカではただの繋ぎ技なんですよね。
 向こうだとギロチンドロップがモーガンの絶対的なフィニッシュなんだとか」
「へー……」
「あとは金持ちキャラのローズさんですか。あんまり似合っているとは思いませんが」
「迫力は凄いけどね」
 突進してから肩口を当てるように振り抜くローズのラリアットは、
 肩に担いだ相手をコーナーへ投げつけてからなど、標的を棒立ちにさせる工夫があって面白い。

「一応、以上が代表的なところです」
「んー……悩む!」
「だから無理して使うことないって。これだけ使ってる人がいるんだから」
 何やら腕を組んで考え込み始めた相羽を無視し、美月は自分が進めていたデータの続きを始めようとした。
(そういえば)
 もう一人身近にラリアットを得意とする人間がいることを思い出したが、美月は黙っていた。
 どの道、相羽は数日後に身をもってその一発を体験することになるのだから。

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by right-o | 2009-12-20 11:09 | 書き物
NHKのスペシャル大河が毎週楽しみな今日この頃。
久しぶりの更新です。

やっぱり歴史ものに訛りは欠かせませんな。
でも原作で「だんだん」は使ってなかった気がする。
それと「坂の上の雲」では日本と西欧における軍馬の馬格の違いが取り上げられていたはずなのに、
出てくる日本馬がいちいち大き過ぎるような。
オープニングの騎兵戦ではちゃんと日本馬が小さく見えるけど。


なんだか今までのガラに無い話題を出してしまいましたが、とりあえず下のお話について。
一応、ちょっとグロいので閲覧注意です。

今年のプロレス大賞ベストバウトに刺激を受けて、ついやってしまいました。
というか本当は11月企画の一環でしたっけね。
いつの間にか12月半ば。
他の試合はなんとか年内中に……


そのベストバウトですが、まさかデスマッチとは意外でした。
まあでも、今年一番凄い試合と考えれば当然か。
メジャーとかインディーとか、技がどうとか体がどうとか、
凄くて面白ければ何でもいいんですよ。


2週続けて競馬も放ったらかし。
今日の阪神JFはロブロイの娘アニメイトバイオからでした。
しかし関東馬関東騎手でワンツーとは。


最近忙しくてイヤになります。
今年中にもう一度東京に行きたかった。

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+技「リバースタイガードライバー」

 この日のメインイベントを前にして、後楽園ホールは異様な雰囲気に包まれていた。
 リング上、東西南北の四面に張られているロープの内の南面と北面を、
 縦を向いた蛍光灯が隙間無く埋め尽くしているのだ。
 加えて各コーナーの下には数十本の束になった蛍光灯が置かれている。
 これまで多くの凄惨な試合を戦ってきた越後とライラの二人が、ついに行き着いた結果だった。
(ここまで来たか……)
 回を重ねる度により過激な試合を期待し続け、この状況を作った原因でもある満員の観客達でさえ、
 リング上の光景を見てそう思わずにはいられなかった。

『ウォー……オオオー……オオオーォォォォォォ……!!!』
 腹に響く叫び声から始まる曲がかかると、会場は一斉にライラの名前を呼ぶ声で埋め尽くされる。
「クックックック……」
 マスクの下をさも嬉しそうに歪ませながら、1mを越える長さの蛍光灯束を両手に抱えたライラ神威が姿を現した。
 リングの様子にも怯むことなくロープをくぐると、持参した蛍光灯束を青コーナーに立て掛け、
 待ちきれない様子で赤コーナーの向こう側へ視線を送る。
「オラ、さっさと出て来いよ……!」
 その真っ赤な両目は、誰がどう見てもマトモな人間のものではなかった。
「……押忍ッ!!」
 対してその後に入場してきた越後も、ロープへ並んだ蛍光灯を恐れることなく、
 一つ自分へ気合をかけてリングへ上がった。
 この日は、普段上着しか着ない白ランの上下に、サラシ一枚巻いただけの特別仕様である。
『ゴング!』
 中央で対峙した両者の横で、この試合のための厚い手袋を着けたレフェリーが、開始の合図を要求した。

「「ふんっ」」
 誰もが初めて経験する試合の幕開けは、意外にも基本通りのロックアップから始まった。
 しばしの均衡状態から体格でやや勝るライラが押し込み、越後の背中がロープの北面に並んだ蛍光灯に近づく。
「おっ……と!」
 誰もが息を呑んで見守る中、どうにか越後が押し戻した。
 一旦両手を解いて距離を取ると、互いに目線を合わせて出方をうかがいながら、
 リングの中央を挟んでぐるりと大きな円を描く。
「シッ」
 この緊張を、越後の強烈なローキックが破った。
 続けて二発三発と連打して怯ませたところで、ライラの手を取って南面のロープへ振ろうと試みる。
 これを一歩目で踏みとどまったライラが、後ろに立つ越後へ肘を叩き込んでヘッドロックに捉えたが、
 越後は頭を絞められた体勢のままで一気にロープまで押し込んだ。
 ライラの体とロープの間に挟まれ、押し潰された蛍光灯数本が一斉に破裂すると、客席が大きくどよめいた。
 同時に白い細かな破片が飛び散り、マットの上に散乱する。
「うぁ……ッ!!」
 体を蛍光灯に押しつけられたライラが、痛みのために両膝をついた。
 すかさず越後が左手でロープから蛍光灯を取り外してライラの胸板へあてがう。
「おおおおっ!」
 右足で蛍光灯を割りながらライラを蹴り倒し、破片が舞う中でこの試合最初のフォールへ。
 これを1で跳ね返した時、ライラの露出した肩と太股からは、既にいくつかの小さな赤い筋が滴ってきていた。

「一気にいくぞっ!!」
 まず優位に立った越後は、宣言どおり序盤から一気に畳み掛けていく。
 起こしてコーナーに振ったライラに対して、その傍のロープから蛍光灯を抜き取ってはそれを体にあてがい、
 次々とミドルキックで蹴り割った。
 その度に蛍光灯が飛び散り、いくつかの破片が白い肌に食い込む。
 まだ大きな傷こそ無いものの、ライラの露出した部分が徐々に赤く染まっていった。
 しかし、調子に乗った越後が数本を一度に取って向き直った瞬間、逆にライラが蹴りを返す。
 体の前に持っていた蛍光灯を一気に破裂し、今度は越後の肌を傷つけた。
 不意を突かれて怯んだ越後の額へ、ライラは三本の蛍光灯を横にして押し当て、それへ向かって躊躇の無いヘッドバット。
「うッ!?」
「おらぁッ!!」
 自分の頭で蛍光灯を割ったライラは、さらに越後の胴へ組み付くと、
 無傷を保っていた南面の蛍光灯へ勢いをつけて押し込んだ。
 越後は背中で十数本の蛍光灯を一度に押し潰し、白ランの所々に赤い染みを作った。

 ほぼ一進一退の攻防が続く内、ロープに並んだ蛍光灯も残りわずかになり、
 勝負は二十本ほどが一つに纏められた蛍光灯の束を使った攻撃にかかってきた。
 束は各コーナーの下に一つずつと、ライラが持ち込んだ分を合わせて五つ。
 これをまず先に越後が手に取った。
「このぉッ!!」
 蛍光灯の無い西面のロープへ飛ばしたライラが跳ね返って来たところへ、両手で持った束をフルスイングで叩きつける。
 まるで小さな爆発が起こったような音と白い煙が舞う中、さらに越後はもう一束を掴んだ。
「決めるぞッ!!」
 破片だらけのマットへ蛍光灯の束を設置すると、越後は上の白ランを脱ぎ捨てて気合を入れ、
 ライラを引き起こしてパワーボムの体勢へ。
 これで叩きつけて一気の幕引きを狙ったが、ライラは堪えた。
「ウオォォォォォォォ……ッ!!」
 逆に背中越しにリバーススープレックスで投げ捨てられ、むき出しの背中で束の上へ落下。
「うあぁぁぁぁ……っ!?」
 サラシを巻いただけの背中が真っ赤に染まり、綺麗に割り切れなかった蛍光灯の断面がいくつか深い溝を残した。
 破裂した時は見た目の派手さほどダメージを残さないが、蛍光灯で危険なのはこういった場合の裂傷である。
「くぅ……!」
 歯を食いしばって立ち上がった越後の脳天へ、すかさずライラによって三つ目の束が振り下ろされた。
 まともに食らった越後は、しかしよろめきを一歩目で踏み堪える。
「うおおおおおお!!!」
 大ダメージを与えたと見て油断したライラの頭へハイキック一閃。
 ふらついたライラの足を刈って尻餅をつかせると、四つ目の束を右の側頭部に立て掛ける。
 バンッ、というこの試合一番の快音とともに、助走をつけた越後のローキックが束ごとライラの頭を薙いだ。
 この時とっさに顔を反対側へ反らそうとして蛍光灯と頭の間に隙間ができたの災いし、
 カウント3ギリギリで肩を上げたライラがむくりと起き上がった時、その右顔面には殺到した破片がいくつも生えていた。
「オオオオオオオ!!!」
「おおおおおおお!!!」
 それでも立ち上がったライラと越後は、リングの中央で額をつけて吼え合ったあと、同時に頭を引いて叩きつけた。
 頭蓋骨同士がぶつかる鈍い音に続いて、血しぶきが飛ぶ。
 三度繰り返された頭突きの打ち合いは、ライラが制した。
 そのまま越後の下に潜り込んで肩の上に担ぎ上げ、もはや一面が破片だらけの凶器と化したマットの上へ地獄落とし。
「ヒャハハハハハハハハハハハ!!!」
 奇声を上げながら、ライラは半分に割れた蛍光灯の断面を自分の胸板にあて、衣装の上から横一文字に引き裂いた。
 いよいよ狂気を増したライラの姿に、観客はテレビで放送できない過激な声援で応える。
 最後に残った束をリングの真ん中に置き、ライラは越後を引き起こした。
 タイガードライバーの体勢で相手を持ち上げ、そのまま前へ開脚しながら尻餅をつく。
 勢い相手は背中からではなく体の正面から叩きつけられることになる。
 越後の顔が、丁度束の真ん中へ突っ込んだように見えた。


「痛ってぇ……」
 試合後、ライラと越後は並んで治療を受けていた。
「てめぇ、次はマジで殺すからな。人の顔こんなにしやがって……」
「はいはい。いつも手加減ありがとうございます」
 頬からガラス片を引き抜きながら毒づくライラに対し、越後はさらりと受ける。
 その顔は傷ついているものの、ライラよりはよほど軽傷だった。
「ケッ」
 どちらかがその気なら、先程の試合中だけで何十回となく死んでいる。
 これだけ無茶な試合ができるということは、それだけお互いを信頼しているということであった。

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by right-o | 2009-12-13 21:44 | 書き物