『エンジェルカップ』八日目第二試合 ジョーカー&真帆&小川VSターニャ&ミスティ&ソフィア

(ん?なんだ、花火が豪華なのは最初だけ……)
 跳び回って喜ぶつかさを眺めながら、意外にも派手な演出が無いことを訝っていると……
『ONE OF A KIND!!!』
 今回はソロで入場してきた真帆が、ステージの下から大爆発と共に飛び出してきた。
『うおっ』
『今日は演出も大増量でお送りしてます!!』
 じゃあさっきの試合は何だったのか、という理由までは流石にジョーカーも知らない。

『あれ?アイツ来てたっけ?』
『え、ターニャ・カルロスですか?
 二日目から参戦してますし、最初のセレモニーにもいたはずですよ』
 解説にあるまじき天然ボケをかましたジョーカーは、
 試合が始まってからも実況席に居座り続けていた。


「今日こそは逃がさないんだからッ!!」
 リング上では三度目の遭遇となった小川に対し、ソフィアはもちろん先発を要求。
 小川は意外にもこれを受け入れて真帆を下がらせた。
 多分、これまでの出来事が色々と後ろ暗かったのだろう。
 冷静な表情ですんなりと出てきた小川を見て、ソフィアも腰を落として警戒する。
「………!」
 いきなり強引なヘッドロックにいった小川に、
 ソフィアはロープに押し込んで反対側に押し放した。
 ロープの反動を受けた小川は、勢いのままに肩からぶつかってソフィアを倒す。
 そして自分からロープに走った小川に対し、
 ソフィアは仰向けからうつ伏せに体を動かし、その上を小川に跨がせる……という、
 よくある序盤の攻防から、ソフィアはいきなり必殺技を敢行した。
「んっ!?」
 ソフィアを跨ぎかけた右足を取られた小川はマットに倒され、
 そのままアンクルロック……を極められる直前、
 立ったまま足首を取っているソフィアの脇へ逆さまの体を流す。
「わわわっ……!?」
 絶対に足を放そうとしなかったソフィアは前につんのめって倒れ、
 素早く足を抜いて起き上がった小川が上から、右腕を両足で挟んで固定しながら、
 両手を顔にソフィアの顔にかけて思い切り後ろに反り上げた。
 この変形のフェイスロックに、ソフィアは全力でロープに這い進んでエスケープ。
 珍しく、小川がまともに試合していた。

 小川の気まぐれが終わると試合は真帆対ターニャ、ミスティに移る。
 流石に常時二対三の状況では攻め込まれる場面も多かった。
「「いくよっ」」
 顔を見合わせた二人は、この中では飛びぬけて大きい真帆を捕らえ、
 ブレーンバスターの体勢。
 が、同時に腰を落とした瞬間、仕掛けているはずの二人の体が浮き上がった。
「うおりゃあああああ!」
 一人で二人を投げ返した真帆が気を吐く。
 歴然としている体格とパワーの差をいかして逆転。
 大盛り上がりの会場に気をよくした真帆は、コーナーに下がって腰を落とし、狙いを定める。
『スピアーですね。まともに入ったらひとたまりも無いですよ』
 試合途中からジョーカーを追い出して解説に収まった小川が、冷静に告げた。
 ここでリング外に出ていたソフィアが文字通り足を引っ張ろうとしたが、
 横から顎の先端にトラースキックをくらって崩れ落ちた。
「最後だけ決めさせてもらうぞ!」
 ソフィアを蹴り倒したジョーカーがコーナーに飛び乗ると同時に、
 リング内では真帆がミスティに突き刺さる。
 試合権利の無いミスティを排除した真帆は、
 ジョーカーを見つけると残ったターニャを引き起こし、一息にパワーボムの体勢へ。
「あ、ジョーカー!」
「よ」
 真帆に持ち上げられて近づいてきたAACの元同僚を、ジョーカーは思いっ切り張り倒し、
 リングの外を向いてその首を肩に固定した。
「盛りあがれよ!!」
 ターニャの頭を持ったままリングの方向へ宙返りし落差をつけた不知火。
 と同時に真帆がパワーボムで叩きつけて固め、目を回したターニャから3カウントを奪った。


 ジョーカーレディ                           ターニャ・カルロス×
○フォクシー真帆  (10分03秒 ジョーカーアタックNo3→片エビ固め) マスクド・ミスティ
 小川ひかる                              ソフィア・リチャーズ

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by right-o | 2010-08-21 14:21 | 書き物