招待状

 Total Nonstop Angels.
 女社長、井上霧子率いる実験的な団体。
 その常設会場に隣接する事務所にて。
「……まとめると、シングル、タッグ、ジュニアの若手リーグ戦。それぞれ勝ち抜いた者の願いが叶う、と」
 言葉を切ると、霧子は事務所に集ったレスラーたちを見回した。
「ウチは余所と交流なんてほとんどやらないけど、今回は別です。誰か外に出て戦いたい人は?」
 言い終わらない内に、銀髪を揺らして長身が歩み出ていた。
「私以外に、誰が?」
 やや首を傾げたフレイア鏡が、いかにも自信あり気な笑みを浮かべる。
「異論はありません。シングルはもう一名出られますが、他に?」
「……私が」
 鏡が出るなら、という一言を飲み込んで、中森が静かに手を上げた。
 対して鏡の方は、最初に決定した対戦相手に何の関心も払っていない。
「ま、いいでしょう。ではタッグ、ジュニアは……」
「「はいっ!」」
 ハモりながら手を上げたのは藤原&橘。
 団体名物の正義の味方タッグであったが、
「待ってもらおう」
 これを制したのはジョーカーレディだった。
「この団体を代表するなら、私とマホが出るべきだろう?」
「……んっ!?」
 立ったまま舟を漕いでいた真帆がびくりと反応し、目を白黒させた。
「社長としてはどちらも甲乙つけがたいところね。あら……」
 さら二人、栗浜と小川の手が上がっていたが、彼女たちはタッグではない。
「よろしい。タッグとジュニアの代表はリングの上で決めてもらいます」
 こうして、団体は久しぶりのイベントへ向けて少しずつ動き出していく。

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by right-o | 2010-06-02 23:00